椎名誠著「全日本食えばわかる図鑑」を読み終えました。


椎名さんのお得意分野の一つであろう、食べ物に関して思うところのコラムを集めた作品。

椎名さんは食へのこだわりが非常に強い人だと思います。
そしてそれは気取ったグルメ、食通に真っ向からケンカを売る傾向もあります。
少々こだわり過ぎな部分もたまには出てきますが、全体的に庶民的な食材、料理、食事のしかたは本来どうあるべきか、というところを時に軽快に、時に舌鋒鋭く書いております。
例えばホテルのカレーライスの値段の高さや、気取り過ぎの蕎麦屋と徹底交戦の構えを見せております。

執筆されたのが1980年代前半なので価格水準や言葉づかいに時代の格差を感じるところもありますが、そこは些末なことで、食に対するまっすぐな思いを楽しめるコラム集だと思いました。