★第379話:広島県と岡山県(2) 岡山旋風 | 中高年の中高年による中高年のための音楽

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岡山旋風

 広島県出身の有名人はたくさん知っているが、岡山県出身の有名人は、失礼ながらほとんど知らない。故郷の隣県なのに、これまであまり関心を持たなかったせいかもしれない。

 ところが、最近異変が起きた。昨年末から「岡山旋風」と呼ばれるほどの岡山ブーム。ニュースの度に岡山県関係と聞こえるような気がしていたときもあった。

 その現象に乗って、「おもしろ県民論 岡山は凄い」昼間たかし著、吉原睦監修、2022年、マイクロマガジン社、画像)という本まで刊行されている。

ドルーリー朱瑛里(しぇり)

 ドルーリー朱瑛里(写真)の17人抜きには度肝を抜かれた。陸上の中長距離で活躍する選手の登竜門とも言われている全国女子駅伝。今年の1月15日に行われた大会で大きな注目を集めたのが、人口およそ10万人の岡山県・津山市(地図)に住んでいる中学3年生だった。

 

 驚きはそれだけではない。彼女が通っていた鶴山中学校の陸上部は、部員がドルーリー選手を含めて3人しかいない。SNSなどを参考に自分で練習メニューを考えることもあるということで本格的な駅伝の大会に出場するのも今回が初めてだった。しかも初めて経験した本格的な駅伝で、これまでの記録を8秒更新する区間新記録をマークしたという、正にシンデレラ物語。父親がカナダ出身のハーフで、この可愛さも人気を呼んだ。今年は津山高校1年生になったが、今、最も注目を浴びている選手の一人だ。

 一方で、プライバシー肖像権に関する問題が起きている。過度な報道や無断撮影に不安を感じるとして、2月にはコメントを発表して大会を休場した。競技中のドルーリー選手を延々と撮ってネットにアップしている輩や、ネットのまとめサイトや掲示板には、自宅の場所がわかるような情報や写真が掲載されたという。たぐいまれな彼女の能力がすくすくと伸びてくれることを祈るばかりである。

ウエストランド

 昨年12月18日に開催され、史上最多7,261組がエントリーしたM―1グランプリ2022決勝戦で、ドルーリー選手と同郷の津山市出身の漫才コンビ「ウエストランド」(写真)が、お笑い界最大の賞レースの頂点に立った。

 それからの活躍はご存じの通り。テレビで頻繁にお目にかかるようになった。主にボケを担当する河本太(39歳、写真右)と、ツッコミでネタ作り担当の井口浩之(40歳、写真左)。


倉敷高校

 第73回全国高校男子駅伝が、昨年12月25日に京都市・たけびしスタジアム京都で開催され、倉敷高校(倉敷市)が2時間1分10秒の大会新記録で4年ぶり3度目の優勝を果たす。(写真)なお、2位:佐久長聖(長野)、3位:八千代松陰(千葉)だった。
 倉敷高校は、男子駅伝において、全国最多の45年連続出場中。女子も2020年は県予選22連覇中の興譲館高等学校(井原市)に37秒差まで迫っている。

岡山学芸館高校

 今年1月9日、東京都・国立競技場で開催された第101回全国高校サッカー選手権決勝戦で、2大会連続5度目の出場だった岡山学芸館(岡山市)が東山(京都)を3―1で下して、全国3,883校の頂点に立ち、岡山勢として悲願の初優勝を飾った。
 なお、岡山学芸館は、岡山学芸館清秀中学校岡山学芸館高等学校とともに中高一貫教育を提供する私立中学校・高等学校である。(写真)

 とどめは、おかやま山陽が夏の高校野球でベスト8に。

おかやま山陽高校 

 今年の第105回全国高校野球選手権記念大会で、おかやま山陽(浅口市)が、日大の天敵とばかり、初戦の日大山形、2戦目の大垣日大に続き、夏2度の全国制覇を誇る日大勢の“大ボス”日大三も撃破。同校初の8強入りを決めた。岡山勢の8強入りは12年倉敷商以来11年ぶり。夏3勝は11年関西以来12年ぶりだった。なお、8月19日に開催された準決勝で、神村学園(鹿児島)に6-0で敗れた。

 

スポーツ選手

人見絹枝(岡山市出身)

 日本の陸上スポーツのパイオニアは、岡山県出身の女性だった。このことは以前から知っていた。

 日本人女性初のオリンピックメダリストで、100m 、200m 、走幅跳 の元世界記録保持者(100m、200mについては非公認)の人見絹枝(1931年、24歳で没、写真)。女性がスポーツに人生をかけることにまだ偏見が根強かった戦前。彼女は周りから大変な圧力を受け、24歳という若さで夭折した。

木原光知子(岡山市出身)

 木原光知子(2007年、59歳で没、写真左)のスイマーとしての全盛期はもう60年も前の話になる。今でいう、池江璃花子(23歳)のように、競技者だけではなく、アイドルのような存在。「ミミ」という愛称でとても人気があった。

 競技を引退後は東レの水着モデルを務めるなどタレントに転向。テレビで演技を観たり歌を聴くことも多かった。その後、東レ関連会社の役員や自らの水着ブランドや水泳教室を運営するなどビジネス界に進出。40歳を超えてからマスターズ競技に復活し日本記録を樹立している。また各種スポーツ団体や岡山県関連の理事・委員に加え、2005年より日本水泳連盟初の女性理事を務めるなど多方面で活躍していた。
 それが、2007年、神奈川県平塚市内のプールで親子水泳教室の指導中に倒れ、意識不明のまま、平塚市民病院に搬送された。一時は意識を回復したものの、
クモ膜下出血によるあっけない死。健康体の見本のような女性だと思っていただけに驚いたものだ。59歳没。2009年に岡山県総合グラウンド内に顕彰碑(泳縁の碑が建立された。(写真右)

有森裕子(岡山市出身)

 8月17日、ハンガリー・ブタペストで開催された世界陸連の総会で役員改選が行われ、日本陸連副会長の有森裕子(現在56歳、写真)が最多得票で選ばれたというニュースが新聞に載っていた。とかく、きな臭いことが多いスポーツ界、このような人が選ばれることに、ホッとするのは自分だけだろうか。

 1992年バルセロナオリンピック銀メダルを獲得。日本女子陸上競技界では、1928年のアムステルダムオリンピック・女子800mで同じく銀メダリストの人見絹枝以来、64年ぶりの五輪メダル獲得だった。奇しくも有森は人見と同郷(岡山出身)であり、その上銀メダルを獲得した日付も同じ8月2日というおまけも付いた。さらにその8月2日は、人見の命日でもあった。

 その4年後の1996年、アトランタオリンピックでは銅メダルを獲得した。二大会連続の五輪メダル獲得は、日本女子陸上選手では有森が初である。その女子マラソン代表の座をめぐり、すったもんだで悩まされていた後だけに、「自分で自分をほめたい」という言葉は人々に感銘を与え、その年の流行語大賞にもなった。それから、2000年、シドニー五輪女子マラソンの高橋尚子から2004年、アテネの野口みずきと続く、日本女性のマラソンの黄金期が始まった。

天満屋女子陸上部

 岡山市に本店を持つ「天満屋」(写真は本店)が駅伝に参加したのを知ったときは驚いた。まさか全国駅伝に地方百貨店が登場するとは…。もちろんこの百貨店の存在は知っていた。広島の中心地の八丁堀にも店舗があり、その地場百貨店・福屋と覇権を争っていた。しかし、全国区としての知名度は当時ゼロに近かったはずだ。よく決断したと思う。

 天満屋女子陸上部は、1992年創部。働く女性の象徴的な存在とすることと、同年8月に1992年バルセロナオリンピックで銀メダルを獲得した有森裕子が地元・岡山市出身ということで、マラソン熱が高まったことを受けて創設された。
 その後、武冨豊総監督(現在69歳)を中心に、オリンピック・世界陸上などに出場する、女子の長距離走・マラソンランナーを多数輩出。地元の陸上界では知らぬ者のいない強豪チームとして知られている。2010年の第30回記念全日本実業団女子駅伝では、念願であったチーム初優勝を果たした。(写真) 

 オリンピックには、写真左から、2000年シドニーオリンピック代表の山口衛里(現在50歳、7位入賞)、2004年アテネオリンピック代表の坂本直子(現在42歳、7位入賞)、2008年北京オリンピック代表の中村友梨香(現在37歳、13位)、ロンドンオリンピック代表の重友梨佐(現在35歳、78位)と、4大会連続で天満屋から女子マラソン代表選手が誕生した。2016年リオデジャネイロオリンピックでは所属選手の代表入りを逃したものの、2021年東京オリンピックへは2大会ぶりに前田穂南(現在33歳、33位)が出走している。

新谷仁美(総社市出身)

 新谷仁美(にいや ひとみ、35歳、写真)は、1万メートル競走ハーフマラソンの日本記録保持者。2014年に一度競技生活を引退したが、2018年に現役復帰。スポーツ選手としては大きなブランクがありながらも、現役復帰後も国内外の大会で上位入賞や東京オリンピックに日本代表として出場するなど、現在においても日本トップクラスの陸上競技選手としてプレーを続けている。今年の1月15日、ヒューストンマラソンで2時間19分24秒の日本歴代2位を記録し優勝した。

渋野日向子(岡山市出身)

 本当は、全英女子オープンで二度目の優勝をした渋谷日向子(24歳、写真)の晴れ姿を記事にしたいところだった。低迷が続き落ち込んでいる姿は、痛々しい。スマイルシンデレラと呼ばれ、いつも見ていたこんな素敵な笑顔を早く取り戻して欲しい。

 男性ではプロ野球で今、一番旬な選手を。

山本由伸(備前市出身)

 昨年は岡山出身のプロ野球・オリックスの山本由伸(24歳、写真)が史上初の2年連続投手4冠と沢村賞に輝き、チームは26年ぶりの日本一を達成したが、その勝利に大きく貢献した。今年もWBCへの出場を経て、開幕1週間前にチームへ合流。ここまで17試合の先発で11勝5敗・防御率1.50を記録して好調を続けて今、日本のプロ野球で最も旬な選手である。

 備前市立伊部小学校の1年時から伊部パワフルズで野球を始めると、備前中学校の3年時には、東岡山ボーイズで二塁手兼投手として全国大会に出場した。しかし、野球に集中できる環境を求め、先輩の紹介で宮崎県の都城高等学校へ進学し、1年生から本格的に投手として練習を始める。2016年のNPBドラフト会議で、オリックス・バファローズから4巡目で指名を受け入団した。
その他

・バレーボール:荒木絵里香(39歳、倉敷市出身)、白井貴子(71歳、岡山市出身)、石井優希(32歳、倉敷市出身)

・バトミントン:湯木博恵(2011年、62歳で没、岡山市出身)

・体操:森末慎二(66歳、岡山市出身)

・フィギュアスケート:高橋大輔(37歳、倉敷市出身)

・プロ野球:佐野恵太(28歳、岡山市出身)、川相昌弘(58歳、岡山市出身)、平松政次(75歳、高梁市出身)、松岡弘(76歳、倉敷市出身)、土井淳(90歳、岡山市出身)、大杉勝男(1992年、47歳で没、勝田郡奈義町出身)、秋山登(2000年、66歳で没、岡山市出身)、星野仙一(2018年、70歳で没、倉敷市出身)

 

芸能人

俳優

・女優:MEGUMI(41歳、倉敷市出身)、志穂美悦子(67歳、西大寺市出身)、千原しのぶ(2009年、78歳で没、津山市出身)

・男優:オダギリジョー(47歳、津山市出身)、宅麻伸(67歳、玉野市出身)、伊吹剛(73歳、小田郡矢掛町出身)、八名信夫(88歳、岡山市出身)、本郷功次郎(2013年、74歳で没、岡山市出身)、長門勇(2013年、81歳で没、倉敷市出身)

お笑い芸人

・次長課長:河本準一(48歳、岡山市出身)、井上聡(47歳、岡山市出身)

・千鳥:大悟(43歳、笠岡市出身)、ノブ(43歳、井原市出身)

ミュージシャン
・女性:
荒牧陽子(42歳、岡山市出身)、三宅由佳莉(36歳、倉敷市出身)、葛城ユキ(2022年、73歳で没、高梁市出身)

・男性:稲葉浩志(58歳、津山市出身)、岡千秋(72歳、備前市出身)、岸田敏志(70歳、真庭市出身)、小六禮次郎(73歳、岡山市出身)
映画監督

大島渚(2013年、80歳で没、玉野市出身)

 

文化人

・学者:磯田道史(52歳、岡山市出身)、山口二郎(65歳、岡山市出身)、土屋賢二(78歳、玉野市出身)、団藤重光(2012年、98歳で没、岡山市出身)

・小説家:あさのあつこ(68歳、美作市出身)、岩井志麻子(58歳、和気郡和気町出身)、小川洋子(61歳、岡山市出身)、麻生千晶(85歳、岡山県出身)、重松清(60歳、津山市出身)、正宗白鳥(1962年、83歳で没、備前市出身)、内田百閒(1971年、81歳で没、岡山市出身)、柴田錬三郎(1978年、61歳で没、備前市出身)、坪田譲二(1982年、92歳で没、岡山市出身)

・棋士:大山康晴(1992年、69歳で没、倉敷市出身)

・画家:竹下夢二(1934年、49歳で没、瀬戸内市出身)

・ファッションデザイナー:石津謙介(2005年、93歳で没、岡山市出身)

・漫画家:いしいひさいち(71歳、玉野市出身)、青木雄二(2003年、58歳で没、久米郡久米南町出身)

(いしいひさいち氏の写真はありません)


 予想以上の多さ。岡山県出身の有名人はたくさんいるんだね。

 続く。

(Wikipedia 参照)