今の仕事もいよいよ残り5日となった。
●引継ぎ
「飛ぶ(立つ?)鳥、跡を残さず」とばかり、今急ピッチで引継ぎ書を作成しているが、通常の仕事をしながら長時間これにかまけることも出来ない。「たかが管理人、されど管理人」、40ページにもなろうとしている。それでも、何とか辞めるまでには完成しそうだ。
後任がすぐに見つからず、当面何人か交代で対応するという。特定の引継ぎ者がいないので、文章化は欠かせないが、ちょっと気張ってしまった。
新しい仕事でもマニュアルなるものをいただいたが、2ページほどで、多分仕事に着くと相当苦労すると思う。
今の仕事もきちんと引き継げたわけではない。そう言う意味では、前任者もいて、3日間も行うことが出来た新しい仕事は運が良かったのかも知れない。
自分の職責の関係で最初は「営業マニュアル」だった。「総務マニュアル」を作成したこともある。しかし、最大のレガシーと思っている大作は、今から11年前、定年前の最後の仕事として社員教育用に一人で作った、100ページに及ぶ「〇〇会社ハンドブック」である。この作成には1年かかり、索引や、用語解説の付録もつけた。
これまでマンションの管理人は居住者の方とは必要以上に仲良くなってはいけないという指導を受けてきた。えこひいきがあってはいけないという戒めだろうが、もうすぐ辞めるのでもういいだろう。
昨日は居住者のご夫婦との食事会だった。仕事が終わった後、ちょっと夕食には早い16時半から。楽しい会話が続き、2時間半もおしゃべりが続いた。帰りがけ、「まだ5時間位はいけそうですね」と話したぐらい、時を忘れるほどだったが、久しぶりに長話しをしてしまった。
残りの5日間はあっという間に過ぎるだろう。親しい人との別れと新しい出会いが待っている。環境が変わるのに慣れた人生だったが、いざ別れるとなると後ろ髪を引かれる思いだ。果たしてこの決断が正しかったどうかは、後で分かるときが来るが本音を言うととても不安である。
でも、この3年間、本当にいい人たちに出会ったことに心から感謝している。自分はとても運がいい。
「さびしさに 何とはなくて 来て見れば うれし桜の 花ざかりかな」
奥田美和子/人生に乾杯を(2012年)