5日目。

私たちは決して子供に手をあげたりしていない。

虐待などもってのほか。

 

だから頭の片隅にもなかった、虐待の容疑者であることを。

 

先日電話で言われていた警察へ行く日がこの日だった。

子供を虐待した容疑者として、再び取調べを行った。

詳細は書けませんが、夫婦二人で4時間くらいかかりました。

 

「本当にやっていないか」などと言うテレビで見るようなセリフを言われ、自分が容疑者であることを自覚した。

妻と二人取調べが終わり別室で待機させられていた。

これからどうなるんだろう、と不安に駆られながら待っていた。

 

しばらくすると1人の男性がやってきた。

誘導されさらに別の部屋へ。不安が増す。

私たち夫婦とその方1人で話すことに。

 

まず自己紹介をされた。

その警察署の相当上の方だった。

そして、

「この度はこのような思いをさせて本当に申し訳ありませんでした。調べさせてもらった結果あなた方は完全に真っ白でした。」

「虐待を疑うようなことは一切出てきませんでした。お子さんを愛されていることが十分に伝わってきました。」

「その病院からの通報の場合99%は虐待。だからどうしても厳しく取り調べる必要があった。」と。

深々と頭を下げ、謝罪していただきました。警察が悪いわけでもないのに。

 

緊張の糸が切れたのか、二人して泣きました。

お礼を言って泣きました。

やっと虐待の疑いが晴れた。してもない虐待を疑われ、愛する子供を傷つけたと思われることがどれほど辛かったか。

頭を下げ続けお礼を言った。

警察の方も目頭が熱くなり、涙を流されていた。

子を想う親の気持ちを分かっていただけたのかと思う。

 

そして、

「今回お子さんの受傷にあなたたちが関与していないことを、責任を持って児童相談所に連絡する」

と言っていただけた。

「私たちができることはここまで。決まりがあってこれ以上は機関が違う限り関与できない。そこだけは分かって欲しい。」

「お子さんを返してあげたくても我々ではそうはいかない。そういう決まりなんです。」

と。

それでも私たち夫婦は虐待の疑いが晴れ、我々がしていないことが児童相談所に連絡されることを喜んだ。

これで子供たちを返してもらえると思ったから。

すぐに児童相談所へ連絡の手配をしてもらった。

泣きじゃくりながら2人してずっと頭を下げた。お礼を言い続けた。

 

そして警察を後にした。

気持ちが軽くなった。虐待をしていないことが証明された。

妻も少し精気が蘇った。

 

後は子供たちを取り戻すことに専念する。

未来が少し明るくなった。

 

保護5日目、ようやく2人ともご飯を少しずつ食べれるようになった。