俺の過去（幸せの定義）①

前日の大雨が嘘のように晴れ渡った空だった。千鳥ヶ淵の桜が満開だった。
挙式の日を迎えた。親父に見せたかった。前日の夜まで挨拶の言葉を暗記するのに必死だった。

花嫁は綺麗だった。本当に輝いていた。

バージンロードをお父様と歩いてくるとき、涙をこらえるのに必死だった。神聖なる教会で２人は結ばれた。

間違いのない幸せを確信していた。

その時までは。いや、それから数年は。十字架の重みは消えなかったが。