動物の親子愛は見ていてよく分かる。
敵から子供を守る親の姿が見えるから。
人間はどうなのだろうか。
やはり、動物と変わらない。
人間も動物だから。
五木寛之さんのエッセイの中に、母親は息子が犯罪者でも息子を信じて息子のことを思っている。
周りがどんなに息子のことを非難しても、息子を守って、信じてあげることができるのが母親だ。
というようなことを書いてあった。(ちょっと定かではないが)
吉展ちゃん誘拐事件を取り扱った渡辺謙主演のドラマがある。
「刑事一代~平塚八兵衛の昭和事件史~」
これは傑作だった。
その中で、上述のエッセイの文をほうふつさせるシーンがある。
犯人の母親が雨の中で八兵衛(渡辺謙)に土下座をして許しを請うところがある。
「刑事さん、息子が大変ご迷惑をかけて申し訳ありません。…」
そのシーンが、なぜか感動して残っている。
親は子供に愛を注ぐ。
その子供が犯罪者になっている。
人を殺している。
そんな子供の親ですみません。
雨の中で、ぬかるんだ地面にうずくまり謝っている。
子供が犯罪者でも親は子供を愛している。
五木寛之さんのエッセイの文が浸み込んだ。
やはり、親は子供を愛している。
子供はその愛によって包まれている。
そんなこと、子供には分からないかもしれない。
親も、そんなことは思っていないかもしれない。
でも、基本、親は子供を愛している。
よく言われること。
亡くなってから、親のありがたみを知る。
そんな言葉が身に染みる年になった。