映画「空飛ぶタイヤ」を7/1(日)に観ました。
原作は池井戸潤作品の中でもベスト3に入る面白さだと思っています。
「池井戸作品をこれから読もうと思うのですが何から読めばいいですか」
と訊かれたならば、まず「下町ロケット」を薦めます。
これを読んで「面白かった」と思った人には、次に「空飛ぶタイヤ」を薦めます。
本当は初めから「空飛ぶタイヤ」を薦めたいのですが、「空飛ぶタイヤ」はボリュームがあります。
初めての人にこれを薦めると読むのに挫折してしまって池井戸作品の面白さに触れないままで終わってしまう可能性も出てきてしまいます。
初めに薦めないのはそれだけの理由です。
池井戸作品は主人公に色々なことが起こって、激しいアップダウンをくり返し、最後は主人公の勝利で読者も気分がスッキリして終了。
だから読後感が非常に良い。
「鉄の骨」では談合、「七つの会議」では品質管理、「空飛ぶタイヤ」ではリコール隠し。
扱う題材がどれもちょっと前に問題になったことばかりで驚きです。
映画「空飛ぶタイヤ」については、ただ一言。
ディーン・フジオカがかっこよすぎる。
ディーン・フジオカの一挙手一投足に見とれてしまう。
すべてが絵になる。
ディーン・フジオカの映画と言ってもよいのではないか、
という感じです。
ストーリー展開としては、長い原作を2時間の映画にまとめるだけでも大変なことは分かります。
でも、できるだけ原作に忠実にしようとして、ただ出来事をつなげていくだけになってしまっている感じがします。
そのため主人公のアップダウンの高低差が見ていて感じられません。
本を読んだ時のような
「これからどうなってしまうのだろう。」
「やったー!」
というような気持ちになれない。
だから物足りなさを感じてしまう。
もう少し主人公が追い詰められて「やばいぞ。」という感じが欲しい。
それがあれば、主人公が助かった時の「やったー!」が倍増する。
それがなかった。