漫画「銀の匙 Silver Spoon 」荒川弘著
札幌市内の進学校で有名な中学校に通う主人公(八軒勇吾)が点数による過激な競争社会から、家族から逃れるために全寮制の農業高校に入学することから物語が始まる。
今までテストで良い点を取ることだけが自分の存在価値を示すことと思っていた主人公。
点数競争社会で落ちこぼれて逃げてきた主人公。
そんな主人公が農業高校の新しい仲間とともに成長していく物語。
人から頼まれると断ることができない主人公はどんどんすることが増えていってしまう。
それらを何とか仕上げようと頑張る姿が周りの人達の共感を呼び、いつの間にか主人公の周りに仲間が集まるようになる。
主人公自身も汗水たらして物事を作り上げていく喜びを肌で感じ始める。
そんな姿は読んでいると気持ちが良い。
落ちこぼれ的存在が成長していく姿は好感が持てる。
漫画「キャプテン」「プレイボール」ちばあきお著なんかが中学生の男の子に人気があったのを思い出す。
また、ところどころに人間の生き方、本質などを表すセリフなどがあって思わずメモしておこうというような気になる。
馬の診療所の先生の言葉。
「どんな事でもね、叶うにしろ叶わないにしろ、夢を持つという事は、同時に現実と戦う事になるのを覚悟する事だと思うよ。」
第4巻から本格的に登場の校長先生は容姿はコミカルだが良いことを言う。
コミカルな容姿だからよけいに言うことが心にしみこむ。
校長先生の言葉。
「逃げた事を卑下しないで、それをプラスに変えてこそ、逃げた甲斐があるというものです。」
なぜ「銀の匙」という題なのだろうか。
第1巻で食堂の看板の横に銀の匙が飾られていたけれど説明はなかった。
テレビなどで有名になった灘高の国語の授業で1年間使われている本の題名と全く同じだ。
この漫画と本の内容とに共通点があるのだろうと勝手に思って、本の方も読んでみた。
でも内容が違いすぎる。
今のところ共通点が見い出せない。
疑問は解消されないで疑問のまま残ったままになってしまった。