先週の土曜日に映画「僕達急行」を観た。
森田芳光監督の遺作となる。
公開から1週間後で館内はわりと混んでいた。
観客の年齢層は上のようだ。
映画を観ての感想は、何となく気持ちがいい。
そんな感じにさせる映画だ。
悪者がいなくて、戦いがなくて、自分に起こることを最後は素直に受け入れる。
どうしても、というエゴがない。
すべてを受け入れることが心地よさを感じさせる。
そのことが観た後に気持ちを和ませる。
芸は身を助ける、ではなく、趣味は身を助ける。
趣味を通じて自分の環境が変化していく。
観ている者が、こうなればいいな、こうなるんだろうな、という思いの通りに映画は進行していく。
そんなベタな作りが良い。
社長役の松坂慶子さんは、テレビでも存在感があって、登場するとシーンが引き締まるが、今回の映画でもつい引き込まれてしまう。
個人的には、瑛太の見合い相手役の松平千里さんが気になった。
演技が素人っぽくて、悪く言えば下手なのだけど、だからこそ素が出ているようだ。
笑った時の目の雰囲気が何とも形容しがたい暖かさを感じさせる。
役から離れて、栄太のファンの一人のような恥じらいをみせる。
ちょっと、いただけないなと思ったのは、この映画のテレビCMだ。
松山ケンイチと貫地谷しほりの無人駅でのシーン。
CMでオチまで流してしまっているので、せっかくの笑えるシーンなのに笑えない。
もうオチは知っているもん。
そんな言葉が面白さを打ち消す。
ここが面白いところですからね、とCMでオチを知らされてしまっては、笑うに笑えない。
面白いと思えない。
残念だ。