感情はそのままにしておけば自然に消失します。しかし感情の波が大きい時は、時間がかかる場合もあります。そんな時私たちは、不快な感情が消えるまで待てないで、何とか早くなくそうとして色々やりくりする傾向があります。特に「感情の法則」を知らない人は、そうなりやすいと思います。気持ちはわかりますが、やりくりするほどこじれてしまい、感情はますます消えなくなってしまいます。
そうなる原因を考えてみますと、神経症の人は何か嫌なことがあるとすぐに逃げてしまう癖があるんですね。逃避癖です。しかしそれだけではなく、「幸せになるためには不快感を消せば良い」、「感情は意志の力でどうにでもなる」、「それが出来ないのは努力が足りないせいだ」と言うような虫の良い、誤った認識に支配されているからでもあるんです。だから嫌な感情が起きるといの一番に消そうとするんですね。
こうして私たちは「不快感」や「不快な感情」を意志の力でなくそうとするのです。しかし現実にはそれは不可能です。ですから前もって「不快感」を感じるかもしれないと考えたとき、それを「回避」しようとするわけですね。「不快感」に向き合うことなく、味わう努力もせず、ひたすら逃げようとします。しかし現実は逃げれば逃げるほど苦しくなってくるのです。なぜなら逃げれば逃げるほどそれが気になってしまうからです。
こうして嫌な感情を早くなくそうとする誤った態度が、神経症になる下地を作っているのです。このような形で私たちは「不快感」にとらわれていくわけです。一度不快感にとらわれてしまいますと、そこから抜けるのは容易なことではありません。
では、どうすればよいのか?
詳しいことは法則3で述べますが、捉われ状態から抜けようとせず、逆に捉われ状態に入り込んで、捉われになりきることが必要になるんです。捉われになりきれば、すでに捉われを問題にしない人間になりますので、楽に解決できるんです。
参考および引用・・・「いかにして悩みを解決するか」