図書カウンター当番初日

ちょっとドキドキ

いや、ワクワクかな。

 

小学校の図書館には

パソコンがなかったから

貸出手続きは手書きだったけど

 

中学校の図書館は広くて

大きなカウンターにお似合いの

大きな画面のパソコンがある。

 

ということで

スーパーのレジにあるようなキカイで

「ピッ」とできる!

 

もう小学生じゃないんだから

そんなことが

図書委員になりたかった理由だなんて

恥ずかしいから言わないけど。

 

でも仲良しの友達と同じ曜日が

カウンター当番に決まってほっとした。

 

その友達を誘っての初めての仕事は

先生が丁寧にやり方を教えてくれた。

 

まずは

返却箱に入っている本を取り出して

「ピッ」

 

はじめはちょっとドキドキしていたけど

慣れてきたので

本を並べておいて

ピッ! ピッ! ピッ!

と連続してみたら

「わたしにもやらせて!」

と友達。

 

かわりばんこに

どんどんやっていく。

 

あっ!

間違えて違うところを

「ピッ」しちゃった!

 

大きな画面にエラーが出て焦る。

 

「もう一回やり直せばいいからね」

と先生。

 

そっかぁ〜

エラーは出るけど

違うバーコードでも

「ピッ」

できるんだあ〜

 

面白くなった私は

友達と

これは?

じゃあ、あれは?

とやってみたけど

 

バーコード以外には

反応しないみたい。

 

あ、じゃあ、ここは?

 

あまり深く考えず

自分の前髪にあててみた。

 

ストレートなので

バーコードっぽいんだけど

まさかね。

 

先生のちょっと慌てた顔が

目の端に入ってきた瞬間

 

「ピッ」

 

えっ!?

 

大きな画面が真っ暗になって

何かにひっぱられるように

私は意識がなくなった。