去る8月26日、香港で行われた傅式太極八卦拳総会創立八周年記念のイベント(演武会&宴会)に参加してきた。
同会は傅振嵩が広州に来て最初にとった大弟子の1人で、香港に傅式を伝えた孫宝剛の弟子である李孝全師叔によって創設された。
李師叔は最初迷踪羅漢拳を学び、その後孫宝剛に弟子入りして傅式八卦を学んだ。孫の伝えたものは、八卦正宗、龍形掌、八卦推手だけであったので、師が亡くなった後は前後して香港を訪れた広州在住の二代目、三代目達から、他の師兄弟達と共に学び香港傅式を補完した。自身は八卦拳国術研究会を立ち上げ活動していたが、退職を機に同会を設立。世界中に分館を設けて広く活躍されている。
今回は息子を連れて参加するつもりだったのだが、現在香港ではインフルエンザの死者が300人を超えており、台風も近づいていたので万が一を考え1人で参加することにした。
当日は直通列車で広州東駅から紅磡へ行き、到着後は友達と友達の奥さんと待ち合わせて一緒に昼食を食べてから会場に向かった。
会場は石峽尾というMTRの駅からちょっと歩いたところにある多彩皇宮酒楼。今回は友達の車で送ってもらった。
5時集合、6時から演武開始、7時半くらいから団体の記念式典とか表彰式みたいのがあって、8時半から夕飯っていう予定だったが、押しに押して自分の出番が回ってきたのは10時過ぎだった…。
演武を行った個人や団体が50組を超えており、自分は43番目。
演武は待つ時間に神経を擦り減らす。
早く回ってくるものだと思っていたので7時くらいに着替えて、身体を動かし準備していたのだが、そこから3時間も待たされた。
広州でこういうイベントがあるときは食事と同時進行の場合が多い。香港では表演中に食事が出ない。8時くらいまではお茶とお湯のみで、9時くらいからビールやらワインやらが円卓に並び始める。自分の番が回ってくる頃に料理が出され始めたので、10時から夕食だったと記憶している。
当日は友人宅に一晩お世話になった。全イベントが終了した時点で12時近くなっており、このことを話すと香港では遅くに夕食は結構当たり前なのだそうだ。
広州だととっくに営業終了している時間帯である。
広州傅家拳同学会からは、先生のお姉さまである傅美蘭(殺敵刀)、美勤師伯(高級太極拳)のお2人、美勤師伯のご子息である賴明徳師兄(両義拳)以外は文龍先生の弟子3人(鄧文傑(八卦龍形掌)、蔡福祥(傅家伝孫式太極拳)、自分(陰陽八卦掌))が参加した。
傅美勤師伯による高級太極拳
先生はこの数年こうしたイベントには参加するのみで演武は弟子に任せられるようになった。
散々待たされて体力気力消耗したものの、演武は無事終了した。
大勢の前で打つのはかれこれ3,4年ぶりくらいじゃないだろうか。久しぶりで緊張していたのか、腹が空きすぎて気持ち悪くなっていたのか、普段よりもずっと気が上がってしまったが、手ごたえとしてはまあまあだった気がする。
陰陽八卦の「変」段階を演じた
美勤師伯のご子息、賴明徳師兄による両義拳
鄧文傑師兄による八卦龍形掌
同門が世界中からやってきていたが、中心となっていたのは香港で、演武参加も同会を立ち上げた李孝全師叔の学生が多かった。
ほかには李師叔が精武体育会で教えている関係から、香港および各国の精武で教えている先生方が参加していて迷踪羅漢、詠春、蟷螂、形意、洪拳、蔡李佛、白眉、龍形、少林黒虎などの門派団体による演武があった。
録画した映像が後々配られると思うのでその際に見返してみようと思う。
中央が文龍先生。肩を抱いているのが郭運平(先生の兄弟子。広州詠春拳の岑能氏からも教えを受けている)師伯。その左側が先生の姉である美勤師伯と、見切れてしまっているが赤い服を着ているのが美蘭師伯
イベントが終了した後、友達が車をまわしてくれるというので、先に会場を後にして外で待っていると先生方も会場から出てきた。その時に「今回の表演優秀賞だ!ほれ!」と渡されたのがまさかのバットダンベル6kg…。
筋トレしろということか…。他門で参加された方々には抽選で紅包(中国版お年玉)が配られていたのに。同門への賞品はマッチョだった。
その夜は外でデザートを食べてから友達の家で飲んだ。寝たのは4時半過ぎ。
翌日は台風14号が上陸していて電車が動かなくなる可能性があったので、ゆっくりしたかったが昼には出発した。
ダンベルが荷物検査で引っかからないか若干心配だったが無事通過。
遅延が出て広州に戻ったのは午後4時過ぎだった。