[安徽省旅行記3日目]11月11日 その2

 

午後から 硯と墨の工場見学

代表の周美洪さんは日本でいう人間国宝の方だそうです。すごい風格のある方だったので、ご老人かと思いきや65歳ということで、驚き。

 

そして、なんて言ったって、安徽省は歙州硯の産地 で、歙州といえば、中国四大産地の一つ。

特に、日本人の間では、端渓か歙州かとも言われる垂涎もの(らしい)硯と墨について語ると専門の方から突っ込みが入りそうなので、あくまで(らしい)としておきます。で、触った感じ固くてスベスベの感じなので、墨は若干おりにくそうな感じ。逆にいえば繊細な感じ。(くどいですがあくまで個人の感想ですので、ご勘弁ください。)

 

帰り際、せっかく来たから硯をと思いましたが、普通に使えそうな硯は十万から高いものは数百万円。なので諦め、かわいい半分飾りのようなのを購入。

 

また、墨を作っているところも見学させてもらいましたが、本当に大変な作業ですね。煤を採取するのに、松煙墨は松の薪、油煙墨は菜種油と習いましたが、油煙墨は桐油に他にも混ぜて作っているそうです。動画で撮影できたのは、機械式のところだけ。手作業で油煙の煤を集めているところは撮影禁止。ちょうど採取しているところで、煤がもうもうと立ち込める薄暗い中、1人の男性がその中で伏せたお椀から煤をこそぎとっていました。ドアが開いていたので、そこから顔を突っ込んでいると、顔が黒くなるからあまり見ていないように注意を受けてました。

 

その後の膠と混ぜて叩いて練る作業も、一つ4キロのハンマーで200回くらい叩くそうです。機械で一旦練ったものをさらに叩いて練るのでそれくらいだそうですが、昔は最初から叩いていたので、さらに大変だったそうです。型枠に嵌め込み、枠から出して数ヶ月乾かし、その後、字の部分や、絵の部分に色彩を施して完成。その部屋は皆さん女性がやっていました。

 

でも、どの過程も大変な労力ですね。

 

最近は中国でも、若い人が3Kの仕事をしないようになってきたとのことでした。どこも伝統産業は労働力と後継者が問題ですね。日本も中国もこれからどうするのか?喫緊の課題なんだろうなと改めて感じました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[安徽省旅行記3日目] 11月11日

午前中、「宏村」という周りを川で囲まれた村にやってきました。

 

この村は、昔は庶民が住んでいた普通の家々が並んでましたが、今はほとんどお店や飲食店、民宿になっていて、風情は残っていますが、観光地という感じでした。ちょっと雰囲気を言えば中国のヴェネチアってイメージですかね。テイストは違いますが、造りは似てるかも。土曜日とあって人も結構出てました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[安徽省旅行記4日目] 11月12日

化城寺へ

山中にあるお寺で、その昔、ある高僧がここで食を絶って生き仏になったというお寺だそうです。

 

この日も雨に祟られましたが、幸い霧雨のような雨だったので、なんとかカッパで凌げました。でも、逆に霧けぶるお寺の情緒もなかなかでした。その代わり、雨に濡れるためにスケッチはほとんどできませんでしたが。我々一行が訪れるために、お寺の入場時間も延長してくれたそうですが、合わせて、お寺の参道にあるお土産屋さんやレストランも全部開けてくれてました。警察も総動員って感じでした。(この辺はさすが中国ですね。)ベトナムの仏様同様、仏様は金ピカ。金に塗りましたというのだけではなく、常に金ピカにしておくことが、崇高な存在への敬意を表す表現なんだと思いました。四天王様も、綺麗な色で塗られていて、朽ちてくものの中にある種の尊厳を見出す日本人の美意識とはかなり違っているようでした。

 

それにしても

日曜日の夕方の5時過ぎに、何十軒もの店が、煌々と電気を付けている山の中というのもなかなか不思議な感じで、人が周りにいなければ、千と千尋の異界に迷い込んだような雰囲気でした。今回来て思うのはどこへ行ってもとにかく「綺麗」。この辺のお話はまた今度。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[安徽省旅行記5日目] 11月13日

ずっと地方都市を見学してきましたが、今日から合肥市に入りました。

人口960万人くらいだそうです。

今の中国です。

 

 

 

黄山は見そびれてしまいましたが、今日は天柱山へ。

ロープーウェイで山の中腹まで上がり、そこからは徒歩。らくらくコースとチャレンジコースとあって、僕はスケッチのことも考えて、らくらくコースへ。湖までは、広い遊歩道で、そこまでは20分くらいで、らくらく。そこから先は道幅が狭くなり、皆さんとはお別れして各岩のある場所へ歩道を歩きます。アップダウンがあって、結構、山歩きという感じでもありますが、道は整備されています。そのあたりは、かなり山の中なのですが、道はコンクリートもしくか石の階段です。

 

こんな山の中まで、どうやってこの石の塊を運んだんだろうと考えてしまいますが、万里の長城を作るお国柄ですから、この程度はたいしたことないんでしょう。日本だったら、その辺の間伐材を使って階段のところだけ整備するという感じではないかと思いますが、岩岩を繋ぐ歩道は全部コンクリートか石の階段です。

 

歩くことさらに30分。岩山の上にたどり着いたら、賑やかな音楽が流れてきます。観光を盛り上げてくれているんでしょうけど、できたら、せっかく山の中に来たのだから、鳥の声とか聞いて、しんとした雰囲気を味わいたいという気分にも。でも、多分サービスなんですよね。できたら選曲も少し考えてほしいかも。

 

また、遊歩道を歩いて20分

 

今度は、母親が子どもを抱いているような岩とか、岩と岩の間に岩が挟まっている天門岩とか、色々な形の岩が楽しめます。今回見たのは2箇所だけでしたが、全体で100箇所くらいあるそうです。岩山のスケールにも驚かされますが、それをコンクリートや岩の遊歩道で結んでいるその労力にさらに驚かされます。今日は、天気も回復して帰りは夕焼けも楽しめました。今回は4箇所くらいスケッチもできて満足した1日でした。