今回の旅、10日間くらいではありましたが、いろいろな人と出会い、それぞれにいろいろな思い出がありました。その中で特に印象深いお2人だけご紹介したいと思います。

 

1人は韓国のアーティスト キムさん

 

僕も、この歳になって、ほとんど日本語の使えない環境で、英語も中国語もわからない中、コミュニケーションをどうとるかということに直面しました。4日目から公的な場では日本語で通訳をしてくれましたが、普段の生活の場では、英語でコミュニケーションするしかありませんでした。

最初に、どうしたものか?特に食事が困ります。食べている間、無言というわけにもいかず、でも、何をどう切り出して良いかわからず。そんな時に出会った韓国のキムさんは、いつも彼の周りには笑い声が渦巻いています。最終日もみんなで反省会をしながら、「キムさんはたった10個の英語単語しか喋れないのに、常に周りにいる人を笑わせてたって。」

 

例えば

キム「マイベイビー イズ ワン」

ムケシ「ユア ベイビー?」

キム「イエス、マイベイビー!!」

ムケシ「イッツ ユア サン?」

キム「オー サン。ジャスト サン」

ボク「キャン ユー ユーズ イレブン ワード?」

 

こんなたわいもないことで、延々とみんなで笑っていました。

初日、彼には韓国語の通訳がついてました。僕にはいなかったので路頭に迷っている時でした。ところが、彼と話していると、「自分は通訳なんか頼んでないのに付けられてました。」

3.4日くらいして、彼の通訳がいなくなったので、彼に聞くと、「来なくても良いよ。自由にしてください。って彼女に言いました。なぜなら、彼女はここにいることが幸せそうではない。あなたが楽しいことをしてください。って言いました。そしたら、来なくなりました。」

 

フォーラムで、5個のパートに分かれて討論がありました。彼がいうには、「スペイン語の人たちが主だったパートに入れられたから、何を言っているかまったく分かりませんでした。アハハ🤣」って感じです。

彼は言葉で内容を伝えることが重要なのではなく、コミュニケーションすることそのものが目的であることを知っていました。彼のおかげで、僕も周りの多くのみんなも楽しく過ごせたと思います。

 

もう1人は、日本語が話せる(日本人なので)ボランティアの女の子ニコさん。中国に留学中で、急遽、日本語が喋れるボランティアとして誘われたそうです。若いけど、自分の置かれた立場を理解して、出過ぎず、引っ込みすぎず。僕らはアーティストの皆さんといる時は彼らと話していたいし、スケッチもしていたいし。でも、「今、この話伝えたいな。」と、思った時にサッと出てきて通訳してくれる現代版忍者通訳のような人でした。自分の置かれている立ち位置をいつも自覚してそれに最善を尽くす。大人でもそんなことできる人あまりいないと思います。それでいて明るく振る舞うので、いつも、他のアーティストからも、声をかけられていました。

 

20歳くらいで、こっちに来て周りに日本人のいない環境で1人で頑張っているのは大変なことだと思うし、でも、それもまたバネにして成長できる。そういうのってやっぱり凄いことだなあ。と、思いました。

 

他にも何人もお友達ができましたが、また、別の機会にご紹介したいと思います。