『2023「孔子故郷・おもてなし山東」観光説明会』in 東京

 

2020年に山東省文化と観光庁から山東孔子文化観光大使の称号が贈られましたが、その際はオンラインを介しての授与だったため、対面での授与式がありませんでした。

今回、山東省側の皆さんが代表団を率いて来日し、観光プロモ―ションを開催するにあたって、対面での授与式があるというので参加してきました。

オンラインの時は、家の片隅でパソコンと睨めっこしながら、山東省側でステージいっぱいのスクリーンに浮かび上がる花火をパソコンの画面でみていてモニターではピンと来なかったものが、実感として感じられるというのは、やはり、大切だなあと思いました。僕なんかが日本側の挨拶をしないといけないというのは、日中の交流の層がいかに薄いかということで、残念な面もありますが、いつものお話をさせていただきました。

 

 

終わった後に

向こうとの子供たちの交流を進められてる方や、中国の美術大学に留学されて、向こうで工筆画を13年間勉強された若い方などとお話できて良かったです。

 

その方、高校生の時に、日本の美大の説明会に行って、水墨画を勉強したいと言ったら、「そういうのは、シローとの余儀のようなものだ。」というようなことを言われて、それならと、中国の美大に行かれたそうで、日本の美術大学(どこの大学かは分かりませんが)の先生がそういう認識をされていたのだとすれば、大変に残念なことだなあと思いました。

ここ数十年間、日本画洋画に限らず、絵描きの頭の中が、ヨーロッパやアメリカのアートでいっぱいになっているのであるとするなら残念なことだし、そろそろ、中国から日本に入ってきた文化の何が日本的で何が中国的なのか、共通点もあれば、相違点もあるわけですが。それらをどう評価すべきなのか、政治的なバイアスを除いて、検証すべき時期に来ていると思います。西洋的なものもそうだとは思いますが。

 

特に昨今、現代アートへの期待感が高まる中で、東洋的な価値が低くみられている。これは、現代アートであることがダメということではなく、日本人の中にあるものの原資というか影響と言ったものをしっかりと意識化するべきだと思うのです。

 

以前にもあちこちでお話しさせていただいていますが、高校の美術に水墨画や仏像は取り上げられていますが、それらがどちらも、日本以前の記述が全くないのです。水墨画も仏像も当然ですが、中国か朝鮮経由で輸入されたものです。その記述が全くない。

それを読んだ高校生は、仏像や水墨画は日本の発明品だと勘違いするのではと思うのです。

その教科書には700近い図版が出ていて、ダビンチやピカソやモネや若冲や雪舟などなどたくさん出てるんですが、その中に中国の文物はたったの3点です。朝鮮やインドにいたっては0です。

その教科書はよく作られている教科書で、その制作には高校の現場の先生がだいぶ関わって作られていました。問題は、それらの美術の先生が、いろいろ大切な美術家を挙げて行った中に、中国の芸術作品が出てこなかったことだと思います。700点も必要な芸術作品を挙げた中で3点。それも、年表のところだから、たぶん、それらの現場の先生からは一点も出てこなかったのではないでしょうか。

もう少し好意的に考えても、教科書会社の人が選んだんだとして、そこに中国や朝鮮の芸術がほとんどないことに気が付かないでスルーしてしまったことです。

 

これでは、中国や東洋の文化への敬意は生まれ得ないわけです。

 

現代アートが西洋中心の価値観で動いている中で、もう少し冷静に東洋にかつて「あった」あるいは、「ある」芸術文化をしっかりと見つめ直す必要があると僕は思います。

 

もし僕が美大の先生だとすれば、美大に水墨を勉強したいと言ってきた高校生がいたら、「一緒に勉強しようよ」と、答えられるようなおじさんでいたいとはおもいました。

(会場の写真は、会が始まるだいぶ前のものなので、人がいませんが、会の途中に見た時は満席になっていました。観光が本格的に再開されてるということかなあと思いました。)

 

 

以下会の告知よりーーーーーーーーーー

山東半島は中国東部沿岸に位置し、長い歴史をもち、山川が美しく、豊富な文化観光 資源を持っています。 「五岳の尊」の泰山、孔子の故郷曲阜などが世界自然文化遺 産に登録されています。 山東省の人々は純朴でもてなし好きで、民俗文化も豊富で 多彩です。

コロナ禍後、山東省文化観光庁副庁長の王春生は山東省文化観光代表団の一行 25 名(名簿参照)を率いて、5 月 24 日に東京に到着し、25 日に東京中国文化センター、 中国駐東京観光代表処とともに品川プリンスホテルで『2023「孔子故郷・おもてな し山東」観光説明会』を開催します。説明会は多彩な山東省の観光資源を日本に紹介 し、潤色のない、深い交流の方式で、山東文化観光事業と日本各界とのより深い協力 を継続的に推進していくつもりです。ご多忙の折とは存じますが、ご出席を賜ります ようお願い申し上げます。

敬具

1. 日時:2023 年 5 月 25 日(木)10:00-14:00(9:30 より受付) 2. 会場:品川プリンスホテル メイン・タワー 22 階 サファイア

住所:〒108-8611 東京都港区高輪 4-10-30 3. 費用:無料

4. 主催:山東省文化と旅游庁

共催:中国東京文化センター 中国駐東京観光代表処

5. 山東省側主要メンバー

王 春生 孫茂田 潘 峰

山東省文化と旅游厅副庁長