昨年から今年にかけて、
日蓮宗宗報、表紙絵に12ヶ月身延山の四季を描き久遠寺さんへ奉納させていただきました。
画像1枚目左から4月、5月、6月、7月
4月 身延山花盛り
身延の山中、枝垂れ桜がこれでもかとばかりに咲き誇ります。そうして春をお迎えいたします。
5月 光の桜花
お堂とお堂の合間から見える桜花は、あたかも、それそのものが光を放っているかのように見えました。
6月 緑の題目
祖廟堂の前で唱えられるお題目は緑の光の中へ溶け込み、日蓮聖人の元へ届いているのだろうと思いました。
7月 石畳を踏み締めて
数百年前から、何人の人がこの石畳の上を歩いてお参りしたのか。この風景はこれからも変わらないのだろう。
画像2枚目左から8月、9月、10月、11月
8月 開基堂を見上げて
当時も見上げたんだろう空を見ながら、思いを新たにすることができればという気持ちで描いてみました。
9月 日蓮聖人手植え杉を見上げる
一本の枝が左に張り出して、そこから天に向かって伸び上がっている。逆に見れば、空から地上に向かって突き刺ささろうとしているかのようにも見える。垂直のエネルギーが樹全体を貫いている。そんな神々しさを表現できればと思いました。
花びらたちはずっしりとした重さに耐えきれず、あとは散りゆくばかりと言う、まさにそんな瞬間でした。
10月 天を支える
四方に鬼さんがいて、屋根を支えている。さらには、空の雲も、天さえも持ち上げようとしているのかもしれない。鬼さん頑張れ。鬼さんありがとう。
11月 紅葉の御草庵跡
建物がないと言うことが、何かがあるというイメージを強く発しているのかもしれない。
光の中の御草庵跡。
画像3枚目 左から12月、1月、2月、3月
12月 雪の身延山
この雪景色の中で、人々の営みが行われているんだと思いながら描いていました。
1月 日の出
新しい一年を清々しい気持ちで迎えられたらと思います。
2月 桃の里
身延山の裏街道から上がってゆく途中、花桃が美しく咲き誇り、春の訪れを告げていました。
3月 身延山桜満開
花びらたちはずっしりとした重さに耐えきれず、あとは散りゆくばかりと言う、まさにそんな瞬間でした。
最初4月号を描いた時に、一生懸命に描いたつもりだけど、どうも観光客的な目線だなあと感じて、5月号を描く時に、中にいる人の視点になれないかと考えて、廊下に立った時にお堂の隙間から見える桜を描いてみました。
それについて、展示を見に立ち寄った石川から来られた僧侶の方が、「そうなんです。ここの廊下に立つとこんなふうに桜が見えて、意識して考えたことがなかったけど、こうして絵で見るとその情景が思い出されました。」というようなコメントをいただき、方向性としてそんなに外れてはいなかったんだと嬉しく思いました。
今年も一年そういう方向性で描ければと思っています。
伊東が会場に在廊するのは、今のところ
5月17日(水)
6月12日(月)
6月17日(土)
6月18日(日)
11時から15時の予定です。
6月14日〜6月16日もなるべく行けるように検討しています。
どうぞお出かけいただきましたら幸いです。
展覧会 5月13日〜6月18日 木曜日休館
9時00分〜16時00分
身延山久遠寺宝物館ロビー