日本画教室にて

教室では、市販の液体の膠を使っているので、膠を炊くところをデモンストレーション。ついでに、その膠を使って、それぞれの絵の具を溶いてみました。

(家から持ってきた膠が煮詰まって濃くなっていて、さらに寒さでダマになってしまい、なんともはや。なのですが、そこは目をつぶっていただければと思います。)

1.1番下

岩絵具に膠を混ぜたもの

岩絵具の粒子が荒いので、紙の地がかなり透けています。

2.下から2番目

テンペラ絵の具に膠を混ぜたもの

岩絵具に比べて粒子が細かいので、透け感は少な目です。

3.下から3番目

水干絵の具に膠を混ぜたもの

水干絵の具は透け感が少ないですが、逆に言えば、ベタっとした感じになります。

4.下から4番目

水干絵の具と水晶末を混ぜたものに膠

透け感も少なくかつしっかりとした物質感も出て岩絵具の下地や盛り上げたりには良いかと思います。なにより、岩絵具に比べて安価なので、大量に使う時には助かります。

5.1番上

アクリル絵の具に水晶末

最近は樹脂のメディウムを使う人も増えていますが、(市販されています。)これは、チューブ入りのアクリル絵の具に岩絵具のザラザラ感を出すために水晶末を混ぜています。膠の扱いにくいさに比べれば、簡単に岩絵具風になるのは確か。導入のハードルを下げるにはこういう方法もありかと思いますが、こうなってくると、何を日本画というかということもあり、日本画というのを意識して絵を描くなら、岩絵具を膠を炊いて描くことが基本にあるということを知った上で、使うことが良いかと思います。

補足

以上、教室でのデモンストレーションで、やってみました。それ以外にも、僕も下地にジェッツを使ってますし、樹脂系メディウムもしばらく使ってました。

最終的には材料や道具をどのように使うかは本人の問題ですから、いろんな使い方があっても良いと思います。教科書的には日本画は膠を接着剤として使うとなっていますが、自分の何を描きたいかに焦点化して、表現を選べば、いろんな材料、道具を使うことも良いのではと思います。コンピューターやカメラもその一部だと思います。

要は、その技術や道具に振り回されないで、最終的な出力を自分のイメージに近づけることではないかと思います。