「富士山芸術祭2022」参加作家の皆さんの会場見学その1
彫刻、家具制作 スナンタ製作所
若林克友、美緒さん
山梨県富士川町砂垈地区で制作展示されている若林克友さんご夫婦のところを訪ねました。
田舎には慣れてるとはいえ、おお〜。という感じで。山の中の日本昔ばなしに出てくるような景色でした。ちょうど伺った時には田んぼに水が貼っていて、この風景もなかなか情緒があって好きです。
なんで工房のお名前がスナンタ製作所なのかと思ってたら、砂垈地区というところでした。名前も面白い。
そこで、昔の養蚕の選果場跡を利用して、木工作と彫刻を製作されているとのこと。
木工作も彫刻も自然の木の天然素材をうまく利用されていて、温かみのある作品でした。
ご夫婦で活動されているとのことで、11月の芸術祭までに、展示場所や庭も整備していただけるとのこと。ちょうどゆず祭りの頃で、この辺り一体が柚子の産地だそうで、柚子の香りの中、アートを鑑賞できることを楽しみにしてます。
スナンタ製作所
https://www.sunanta.work/blank-1
「富士山芸術祭2022」参加作家のみなさんの会場見学その2
甲斐雨端硯本舗 雨宮弥兵衛
雨宮弥太郎さん
若林さんのところから20分くらいで今度は富士川町鰍沢にある雨宮さんの工房兼店舗を訪ねました。
ちなみに鰍沢は北斎の絵でも有名なところです。
お屋敷内に入ると、家の前に大きな池と古い藁屋根の古民家が、「おお〜」最近は萱が手に入りにくくなったそうで、藁を集めてもらって、それで梳き変えているとのこと。いろいろ、これから古民家を維持していくことも大変になってきているようです。
雨宮弥兵衛はいわゆる屋号で、代々この屋号を名乗って、弥太郎さんで13代目だそうです。
こういう代々続く家業というのも大変だなあと思いながらも、また、その中で培われた技術や感性、美意識の素晴らしさ感じました。
特に、お父さん、お爺さんの3代の硯作品が並べられていて、それぞれが、それぞれのスタイルで完結しているところなど、こういう技術や美意識の伝承というのはかけがえのないものだと思いました。
また、富士山芸術祭の折には、この場所での展示ではありませんが、雨宮さんの硯作品などをご覧いただければ幸いです。
「富士山芸術祭2022」参加作家のみなさんの会場見学その3
工藤曜日美術館(旧増富中学校)
工藤曜日さん
雨宮さんのところをお暇して、南アルプス美術館で打ち合わせの後、北杜市増富地区へ。
ここも、赤芝や砂垈に負けず劣らず懐かしい風景。その道を突き当たりまで登っていくと、廃校になった旧増富中学校があります。
出迎えてくれたのは、まさに仙人。「おお〜」
今日は驚きっぱなしです。
校舎から体育館まで、絵がぎっしり。「こ、こ、この絵を一人で描いたのですか?」という感じで。
最初は教室の方から拝見して、最後に体育館へ。
「・・・・・・・」
これは、見ていただがないとわからないかも。
制作のエネルギーにすっかり当てられたまま、その後、仙人さん、いえ工藤さんといろいろとお話をさせていただきました。
中国で16年間生活していた話や、インドやロシアや各地を放浪しながら絵を描いている。いずれ、現代の尺度で測れない方だと思いました。
源氏物語絵巻を見たら、文字が読めないのに悔しいと思い、3年前からカナ文字を勉強、最近はカナ文字の作品に挑戦されているそうです。1939年生まれの御歳82歳。
次から次へとチャレンジのエネルギーは尽きないようでした。