南部美術館 伊東正次の日本画・障塀画の世界
「樹木シリーズ」
20代の頃から、30年以上樹木を描いてきました。ここ10年くらい、野仏や散華図なども描いていますが、今でも時々樹木を描きながら、飽きないモチーフで、もしかしたらライフワークなのかもしれないと思っています。
その魅力は一言では言い表せませんが、少し、比喩的にいうと、「2センチくらいの大きさのどんぐりが、幹まわり10メートルもあるような巨大な樹木になる。そこには、世界の全てが含まれる。」そんなことを思いながら描いています。
滝桜図襖絵
藤花図襖絵
天子の欅図
洞杉図襖絵
月下滝桜屏風
「野仏図シリーズ」
2011年から今年まで「散華シリーズ」を毎年1点描いてきました。
その後、2016年から5年間続けて、「野仏図シリーズ」を描きました。シリーズといってもシリーズ化しようと思ったわけではなく、気がついたら5年間描いていたということです。
それは「散華図」の延長線上に出てきたモチーフのような気がします。散華が現実をイメージ化したものだとすると、その先にある仏による救済。そんなことをイメージしていたのかもしれません。描く時には、はっきりと意識するわけではありませんので、5年間描いてきたということは、今更ながらそうではないかと思うのです。
「散華図シリーズ」