蓬莱山を降りてから、歓迎の昼食会。なんだか毎日、昼間からいい調子で飲んでます。腹もいい調子で膨らんできました。

すでに時間は午後3時、車で煙台に戻って、今度はどこに行くかと思えば喫茶店でお茶をいただきます。入ったところはスターバックスのような喫茶店なのですが、別室に入ると、そこは伝統的な中国茶の喫茶店。亭主がちゃんともてなしてくれます。日本でも観光地などに行くと日本茶の喫茶店ってありますが、街中でスタバやドトールのような日本茶の喫茶店って見たことがないですが、西洋的なコーヒーなどの喫茶店と伝統的な中国茶を振舞う喫茶店と両方が楽しめるのは素晴らしいと思います。

 

さてさて、お茶を飲んで、まったりとしたところで、今度は夕食会です。さっき食べ終わったばかりなのに。うーむ。歓迎してくれるのはありがたいのですが腹が〜。

ちなみに、こちらの宴会の流儀は、一回の宴会の中で、何度も乾杯をします。10回とか20回とか。まず、亭主が一言二言。その後、また違う立場で客を迎える方が一言。でも、順番という感じではなく、飲んでワイワイやりながら、なんとなく演説が始まります。そして乾杯。こっち流は全部飲み干すのが乾杯なので、残してると「飲め飲め。」となります。最近は日本や韓国スタイルで、その人のペースで飲むことが増えたみたいですが、半分くらいの方々は、一気スタイルです。

 

こちらの白酒はアルコール度52度ですから、こんなもの一気飲みしてたら、死んでしまいます。以前、水飲んでごまかしているところを見咎められて、52度で一気をしてたら、本当に死にかけて、それからは、一気も時々やりますが、ビールで凌いでいます。ただ、要は一気でなくても、歓迎の気持ちに、心の返礼をすれば良いので、今回は、一気に乾杯する代わりに、「乾杯」の唄を生で歌わせていただいたり、エアギターをしたりと、飲めや歌えやの竜宮城に来た浦島太郎でした。たぶん、浦島太郎の伝説なんかも、中国か朝鮮のどこかに流れ着いた太郎さんが歓待を受けて戻ってみたら、家族も親戚もいなかったなんていう感じではないかと、溶けていく脳みそで考えていました。

 

と、普通はここで、「さあ、皆さんまた来年会いましょう」。と、帰るのかと思いきや、やはり、ここは中国、いや、山東省?

飲んだだけでは終わりません。隣の部屋へ移動して、生の琴の演奏と唄を聴きながら、(学校は職業学院なので、音楽の先生も何人かいらっしゃって、歌も琴も上手いのです。)そして、お絵かきが始まります。

 

水墨画のk先生これがまた、なんとも達筆。20分ほどで一枚描くのですが、必要な位置に必要な力で、必要な色で描いて行きます。その時はそれが何になるかわかりませんが、他を描いて行くと、それが何だったかがわかります。イメージは完全に頭の中に描かれているのでしょう。まさに「絶妙」。この世界の深さに感じ入ります。

そして、日本のY先生も女性陣にプレゼント。僕としても、このころになると、だいぶノリがわかってきたような。昨日は中国の花として「牡丹」を描いたので、今日は、僕のいつも描いている日本の「椿」を描くことにしました。だいぶ飲んで酔っ払っているので、ここは、あまり、緊張もしないで、一気に描かせていただきました。

 

さらに、となりでは、篆刻の先生が僕の為に印を掘ってくれています。椿の絵ができた時には、印も完成して、その場で押印させていただきました。

宴もたけなわ、こう言うのが、本当の意味の酒の「余興」ですね。

 

文化の高さとはつまるところこういうことではないでしょうか。見せる為に描くことが当たり前になっている公募展やギャラリーや美術館。もちろん、それはそれの意味があるのですが、それとは別に生きることを楽しむ為の「芸(術)」。中国ではまだ健在なのかもしれません。日本にもあるところにはあって楽しんでいる方々もいるのだとは思いますが。とても、質の高い充実した時間を過ごさせていただいて感謝感謝です。

 

また、来年の再会をみなさんと約束してお別れしました。

のはずだったのですが、翌日、僕一人だけ、スケッチをするために残る予定だったのですが。またもや、お別れ会が、、、。ということで今日はこの辺で。

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