今日は今年最後の月曜日、ブログの更新日です。今回はProf. K.が執筆します。

 

大学院生のあなたが正月に実家に帰省したとする。おじいさんあるいはおばあさんは、「○○ちゃん、大学院でどんな研究しとるの」?と聞きたがるだろう。そこで、貴方は意気込んで、「XX細胞という細胞をDMEMで培養して、YYという遺伝子をトランスフェクションしたら、その細胞がEMTを起こして・・・」てな具合に説明しはじめる。

 

「ほうほう、○○ちゃんはずいぶん賢うなってしもって、むつかしゅうて、年寄りにゃわからんわい。ほんに立派なこっちゃ」と言われる。そういいながらおじいさんおばあさんはやはりがっかりしているに違いない。なにせ内容が皆目わからないのだから。

 

年がら年中、ひねもす、よもすがら、研究室で研究に没頭し、話をするのも同業者ばかり、という環境に生きていると、これはある程度は仕方がないことだ。しかし、相手が専門家でないときは、自分が普通の人とは全く違う言葉をしゃべっているという事実について自覚的になろう。まずは、相手が何を知っていて、何を知らないのかについて、想像してみよう。そして、専門用語をできるだけ普通の言葉で言い換えてみよう。喩え話も有効だ。本質がわかっていればたやすいはずだ。

 

難しいことを難しくしか喋れない人は、きっと本当はわかっていない。

あるいは単に想像力がないか、不親切なだけだ。

おまけに相手が聞いていようがいまいが、長々と喋る人も自身の要約力の無さを露呈しているだけだ。

 

正月休みはちょうどよいトレーニングの機会である。

 
次回は、1月6日(月)「梅水晶」さんが担当します。