prof.Kと仲間たちのブログへようこそ。トップバッターはprof.Kが書きます。以降、公開指名制のリレーエッセイで行きます。

 

昔から私にとっての科学の真理のイメージは女神である。薄いベールで被われた神々しく美しい姿である。だが、そのベールの内は見えそうでなかなか見えない。

 

だから科学者は、それに強い風を当てたり、熱いところに置いたりしてみたりする。考えられうる限りのありとあらゆる工夫をする。その工夫そのものが科学の営みともいえる。

遠くにいても彼女が見えるように望遠鏡を発明した者もいたし、隅々まで見たいとおもって顕微鏡を発明した者もいた。レントゲン君なぞは、X線という透視術まで編み出した。今ではとうとう、女神の細胞や、タンパク質ひとつひとつの形までみえるようになった。

 

女神はときどき、本当に熱意ある優れた科学者にだけ、ご褒美としてちらっとだけ秘所を垣間見せてくれる。それを一瞬でも見てしまおうものならそれの虜になって一生を捧げてしまいたくなるし、実際そうなってしまった科学者は数知れない。

 

私もそうだ、過去にちらっと一瞬だけ見えた気がして、それで病みつきになってしまった。そうして一生を棒に振ろうとしている。いや、死ぬまでにもう一回、こんどはもう少し奥まで詳細に見たい。

 

科学者が何代にもわたって見てきた女神の一部分の記録はすでに膨大なものになっている。そのピースを集めて女神のイメージを作ろうとするが、それはあまりにも複雑で明確なイメージを結ばない。それ以上に、まだ見えていないことが多すぎるのだ。

 

もし、「実は女神の秘所ってこんなもんだよ」などと、さも見てきたかのようなことを言う奴がいれば、それは似非科学者か、あるいは頭がイッちゃってる妄想家だ。

 

さあ、今日も私は女神の秘所をさぐりあてるための新しい工夫をするのだ。目をハートマーク😍にして。

prof.K

次回の執筆者は「ヤツメ」さんです。12/16日公開予定です。乞うご期待!
 

 

次回