RE-actさんの本祭『祟りの祀り』を
観劇して思った事とかその他諸々、
感想とは呼べない、よくわからないもの。
基本的には、記憶を辿りに時系列。
でも。
鬼の里で進む時間軸と
人の里で進む時間軸。
交差しながら進んでいくそれらを
正確に覚えているはずもないので、
その辺りは、自分が語りやすいよう
好き勝手してます。
…あと、個人的な改行位置問題で
紆余曲折するのに疲れたので、
基本サイズを縮小。(苦笑)
所詮、自己満足の世界なので
何か不具合があっても、
それはもう、印刷して対応するレベル
と諦めたものが、以下になります。
※※※
まず、『人』である青年と黒鬼達が笑顔で登場。
本篇中とは違って、とても明るい雰囲気なので、
開演前の前説、開幕宣言的なものとして
本篇とは切り離して考えるのが妥当だとは思うんですが。
でも、何度もリピート観劇してると、
本篇終わりから繋がるエンドレスループとして捉える事も
できるような気がしてくる不思議。(笑)
…って。
初っ端なから時系列無視しても仕方がないの
次行きます、次!(苦笑)
幕があがって、いすず。
いすずが、読んでいた手帳を床に置き、
それを拾う形で青年に手帳が渡る。
青年の存在に気付いた時のいすずの表情だったり
ストーリーテラーのバトンタッチの仕方がとても意味深なので
『手記を読む現在のいすずと、それを書いた過去の著者』
という構図かと思ったんですが、実際は
お父ちゃんからいすずへ、そして青年へと受け継がれていく流れ。
『人』によるダンスから始まるオープニング。
最初のダンスは、みんな無表情でどこか儀式的。
テレビ画面のように切り離された一部を
『観ている』という感覚が強かったのが、
青鬼といすずの鬼ごっこが始まった頃には
逆に客席が、物語の世界に放り込まれたような感覚に。
客席の通路とか、会場全体が使われていて、
会場全体で鬼の里を構成しているような感じがしたんですよね。
…そのおかげで、どこで何が行われているのやら、
役者さんを追うのだけでも大変だったんですが。(苦笑)
色んな所から赤鬼達が集まってきて、アクションシーンへ。
この時は純粋に闘いを楽しんでる感じ。
じゃれあい。
だから悪鬼が出てきて、それを邪魔されて心外な感じで
闘いが終わった後、その辺りにも触れるかと思ったら…
速攻で、『人』を追うリヒコ。
人里に向かうタツミ。
赤鬼、自由!
そして、切り替え超早い!(笑)
で、その場に残ってる赤鬼達の前に、男が登場。
アドリブいっぱいのシーンで、楽しそうで良いなぁと。
「隠れてるヤツ出てこい!」
って、全て御見通しだった割に
登場した時の男の勢いに飲まれて、
うっかりお付き合いしてるトヨクモの純粋さが可愛いかったり。
追うのを諦めて戻ってきたリヒコの、
ここにも人がいる!っていう超笑顔からの
「人ではありません!」
と嘘を言われた時の落胆っぷりとか。
本当に、赤鬼って純粋なんだと思った。
そして、赤鬼達が男の話を詳しく聞いている間、
同じように青鬼の縄張りでも交わされる人と鬼との会話。
正直、最初は
青鬼の長は何故、いすずの話を聞こうと思ったんだろう?
って理解が全くできなかった。
本当に、いずずの話は矛盾していたから。
…でも、多少理解してから観た2回目、土曜夜の回。
「もう一度信じてみるか」って長が言ったの。
この言葉に長の想いが全部込められているような気がした。
いすずのお父ちゃんといっぱい話をして
人の事が大好きになって。
でも、人から悪鬼が産まれる瞬間や、人の悪行を目にして
人とは相容れぬ存在なのかもしれないと悲しんで。
そうやって、今まで生きてきた。
…でも、やっぱり人が好き。
っていう部分が凄く出てたセリフだったと思うんですよね。
日曜日には『もう一度』という言葉は無くなってましたが。
張り巡らされた伏線とかを考えると
無い方が自然な流れなんだろうとは思うんですが、
でも、根拠の部分が希薄になってしまった印象だったので
土曜夜にこのセリフを聞けて、私的には本当に良かった。
青鬼の長は、もの凄く揺れていたんだと思う。
迷っていたんだと思う。
だから、言動が理解できない部分があった。
一貫性がなかった。
何度観ても最後まで、彼女の心は理解しきれなかった。
でも、そういった迷いの部分も含めて
長視点で観れば、また気づく事がいっぱいあると思うので、
次、視点を絞って観るのが一番楽しみなキャラだったりします。
そんな長に諭された青鬼達。
一度、人の里に戻るといういすずを送っていくのはシタラ。
話を聞く前、門前払い的に同じ申し出をした時は
「チェンジ!」って言われちゃってたから
リベンジ成功!(笑)
払われた手をじーっとずっと見てたりとか、
シタラも細かかったんですよね、演技。
花道で、うっかり長に無礼な態度をとっちゃった時も
深々と頭下げてたりとか。
セリフはなくても、動きから心情が伝わってくる感じで。
あと、長の『お前を信じる』の言葉が
いすずに対するものだと、客席も含めた全員が理解してるのに
一人だけ、自分だと思ってるのとか。
空気読まない時は、全く空気読まないけど、
でも、実はめっちゃ空気読める子なんじゃないかと妄想。
凄く、気を遣っちゃうから、だから敢えて
『空気読めない独自の世界観の持ち主』というキャラを
自分で演じているような気がしたんですよね、違うかな。
場面変わって、赤鬼3人衆が出てきて高見の見物。
本能に正直なミワケと、
大好きな『人』と交流する事ができて嬉しくて仕方がない
興奮状態のリヒコに手を焼いてる様子をみながら。
理性的で、長を中心に統率がとれている青鬼と違い
個性が強くて個人プレーになりがちな赤鬼だけど、
でも、何だかんだ言いながらも実は
ちゃんとまとまってるんだよなーって思ったり。
あと、お口にチャックした後、
しゃべりだす前に、ちゃんとチャック戻してたの、可愛い。
で。
そこに現れるボディーガードシタラは
持ってる武器は剣なのに、銃のように構えて出てくるし、
そこで交わされる会話が。(笑)
アドリブ多めの素朴な疑問っぽい口調で
ちょっと和むような
シタラだからこそ許させる間がそこにあったというか、
凄く良い味が出てるシーンでした。
けど、それをみてるリヒコ的には、嫉妬の嵐で
超、羨ましかったに違いない。(苦笑)
なので、また、いすずの取り合いになるかと思いきや、
悪鬼の登場で、それはお預けに。
長に任されたという誇りがあるシタラが
必死にいすずを守るのはわかるけど、
赤鬼には悪鬼の登場なんて関係ない。
でも、それを好機とせず、武器を捨てるリヒコには
大好きな『人』に剣を向ける事への戸惑いもあるだろうけど、
それ以外の部分もあるんじゃないかな、と。
縄張り争いとか、色々あるけれど。
でも、青鬼の事も好きで、仲が良いから、
本気で闘う事なんてできない。
やっぱり、純粋なんだよ、リヒコは。
だから、いすずを逃がして悪鬼と闘い、去っていく。
そして、場面はガラリと変わり、人の里。
舞台セット的な変化無しで場面転換が進んでいく作品において
椅子を運びながら登場する青年は、
それだけで異質な存在であるのは理解できたんですが
よくわからない存在で。
2回目。
いすずのお父ちゃんだと、思い込みながら観ても
やっぱり謎だらけ。
でも、『不思議な存在。実際にはそこにいない存在だから。』
で納得できちゃったんだ。
だから。
『今』とは少し時間軸のズレた非現実的な部分が終わって、
リアルな時間として、いすずが長官の所にやってくる…
のかと思ってたんですが。
青年が長官の息子の未来ならば、
このシーンもまた、リアルタイムのお話なんですよね。
長官の息子である少年は、
今、まさに、鬼に対して、怯えている。
だから、一刻も猶予がない事なんだと
解釈の違いで、緊迫感にも差が出てくる感じでした。
で、長官の所に戻ってくるいすず。
レポートは既に纏めて提出してあるけれど、
それを是とせず、全く取り合ってくれない。
…だって、愛する息子に、せっつかれた直後だしね。
そんな長官に噛みつくいすずに、業を煮やした感じで男登場。
この辺り。
本来、かなり偉い人なはずの長官に簡単に面会ができてしまう
いすずや男の立場とかを考えると
設定の部分で謎が深まったりするんですが、
でも、男は謎の存在のままでも良いのかなとも思ってみたり。
黒鬼の指揮官なのかと思えば、そうでもない。
じゃあ、彼は一体何者なのか。
謎のままだけど、いすずのお父ちゃんの親友で。
親友が悪鬼になって苦しんでいる姿や
その志を継いだ娘の幸せの事しか考えていないのは事実。
だから、これ以上悪鬼を産み出さない為に
その原因を排除しようとする。
彼は、彼だけは。
最初からちゃんと真実を知っていたのに。
それを隠して、自分の計画を遂行しようとしてる。
本当に彼は『人』なのだ。
エゴの塊だ。
でも、それが人間なのだよね。
…って、掘り下げて考えていくと、重いんですよね、もの凄く。
あと、資料庫で手帳をいすずに渡した際も、
黒鬼の襲撃はわかっていた事のはずで。
襲来を知らずに、いすずを守るフリ。
守るフリして、そのまま素通りさせて、
いすずを襲うのを容認するフリ。
でも実際は、山三郎一座に護衛を頼んでいすずを守っている。
何重にも欺いていて、本当に、エグい。
でもそれを、変人キャラでオブラートにしてる。
そういうバランスって凄いなぁと思います。
場面変わって、また、いすずを交えた混戦模様。
慌てて飛び出してきたから手帳を読む暇もなく、鬼の里。
山三郎一座の登場シーンは、もう、笑うしかなかったです。
だって、本人じゃん!
いや、口上微妙に違うし、
ちゃんと旅一座としての設定もあるから
本人じゃないのはわかるんですが、
でも、滲み出る、中の人感。(笑)
今まで浸ってきた物語の世界観的には
とても異質な存在なんだけど、でも、許されている。
異質な存在のまま融合してる。
という不思議な感覚で、
この作品だから。
このキャスト陣だから。
だから、成立してるんだろうなって、凄く感慨深かったです。
そして、鬼斬りの紹介。
其々の名前が出てきて、あー、あのおにぎり!ってなってたら
まさかの 「た~らこ~た~らこ~」で廻っちゃう訳ですよ。
なんだよ、鬼っ子達楽しいな!(笑)
あと、公演の回数を重ねていくにつれて
自分の愛刀が蔑ろにされるが段々許せなくなっていったのか、
「おかかはぁ!」って
必死になっていく山三郎さんを観てるのも楽しかった。(笑)
ここも現実世界が見え隠れする相乗効果ですよね。
全体的に、『人』の描写において
エゴを突き付けてきたり、えぐってくる中で
『人』による笑いの要素があるのって、凄く大事。
後半、話の本題に近づくにつれ、シリアスになっていくけど、
でも、ずっとシリアスだと疲れてしまい兼ねない。
だから、とても良いタイミングで
肩の力を抜けたんじゃないかと思ってます。
一座が去って、残された鬼達。
鬼斬りに斬られた傷が痛むフリをさせて誤魔化そうとする
空気読める子なシタラがいたり、
『皇潤』の文字が読めない幼子の魂のリヒコがいたり。
それぞれが魅力溢れる動きをしているので
このシーンは、何度も繰り返して
一人一人に注目して観たいポイントだったりします。
あ、あと、ちょっと話が逸脱しますが。
もし、死者の魂が住まう鬼の世界が一方通行のものではなく
輪廻の輪で繋がっているとして。
更にそれが、動物も含めた生き物全てと繋がっているとしたら
リヒコになる前の、その魂は、
ご主人である『人』の事が大好きなワンコでも良いよね。
と思っている事を付け加えておきます。(笑)
っと、話を戻しまして、
しくじり先生の講義が開始される訳ですが。
でも、その受講者はトヨクモと長の二人のみなので、
それに凄く納得のいかないリヒコは単独行動をとります。
そして、いすずと一座のターン。
初見時は、ここでようやく、
いすずと山之助さんの関係性とかが明らかになるのかと
ドキドキしてたんですが、何にも触れられず…
結局、血縁関係、何にもないんかーい!
みたいなツッコミを心の中で入れてました。(笑)
あと、守秘義務とか
身内の不始末だと、自分でケリをつけようとしてたりとか。
凄く覚悟があって、
プロフェッショナル感が半端無い山三郎さんでさえも
師匠である悪鬼の登場には心がグラつく。
その理由が明らかになるのは、もう少し後の物語だけど
強い人の中に、そういう弱い部分がちょっとでも見えると
人間味がグッと増して親近感が上昇します。
…でも、という事は、つまり。
この時点で確実に山三郎さんは真実を知っているという事。
でも、その事には深く触れていない。
請け負った仕事はあくまでも護衛だから
いすずに伝える義務とかはないし、
いすずも一座の二人にそれを求めてないから当然だけど、
でも。
ここで、いすずが真実を知る事ができていれば、
また違った未来があったのかもしれないよね。
ってのは少し思ったかな…。
実際には、そんな余裕なんて
どこにもなかったとは思いますが。
そんな悪鬼に襲われ、逃げ惑う中で
いすずがうっかり落としてしまった手帳を拾うリヒコ。
「良いもの見つけた!」って凄く笑顔。
自分が落ち着ける場所に持って帰って、
そこで、一生懸命、読んだんだよね。
って、その姿が凄く想像できるので、
その表情が段々曇っていくのが切ない…。
で、男の話が終わって戻ってくる3人。
そこでトヨクモは、青鬼の長の覚悟を知り、
『人』の汚さを再確認する。
トヨクモにとって、
赤鬼は可愛い子達であり、そして青鬼達は好敵手。
だから、青鬼と一緒にいたいの。
だけど、青鬼の長は自分達よりも人をとろうとする。
何故だ!?って駄々っ子のように怒りを爆発させて
その場から去るんだけど、それは半分演技で
男が去ってから、戻ってくる。
最終的には自分達の事をとってくれると信じていたから
二人っきりで腹を割って話したくて。
…でも、返ってくる答えは変わらない。
だったら、自分も変わらない。
赤鬼も青鬼も、どっちもとる!
そういう機転の利いた考え方や行動が
トヨクモはできるんですよね。
いすずのレポートが読めなかった残念な子、
それがトヨクモ。(笑)
…でも、『人の文字』が読めないのは
トヨクモが頭悪いからじゃない。
人には興味がないから。
興味がないから、覚えないだけ。
勉強ができるできないじゃなくて、
頭の回転の速さや、判断力や決断力。
そういう人としての頭の良さがトヨクモにはあるんです。
…鬼だから、ちょっと変な話にはなりますが。(苦笑)
一座を巻いて、手帳を探しに来るいすずとリヒコ。
とっさに手帳を隠したリヒコは
「人は死んだらどうなるの?」
と問いかけ、それに素直に答えるいすず。
そう、いすずは何も嘘をついていない。
本当にそう思っていたから。
でも、真実を知ってしまったリヒコからすれば
それは巧妙な嘘で。
嘘で塗り固められた『人』の姿で。
「人は何でそんなに嘘が上手いの?」
そう悲しみを零しても、
それでもまだ、なんとか人を信じたくて。
呼び止められて、最後の望みを込めて立ち止まったのに、
返ってきた言葉は、欲しい言葉どころか
「ごめんなさい」。
それは、リヒコにとっては全てを肯定した言葉であって。
人の汚さを思い知って、爆発する感情。
この辺りから、リヒコをみてると本当に辛いんですよね。
あんなに笑顔が眩しい子だったのに、
裏切られた悲しみでいっぱいになってて、本当に切ない。
話戻って。
ようやく、落ち着いて手帳を読む事ができて、
そして、書かれていた真実を知るいすず。
その場にやってくる一座。
先代の事、いすずのお父ちゃんの事。
何故、彼らがそれを知っているのか?
それは、依頼主である男から教えられたからに他ならず。
でも真実を知った時点で、彼らは特に
それを公表したり、広めようとはしていない。
それは『稼業がなくなってしまうから』という
自分の利益しか考えないという『人』の本質的な部分。
って捉える事もできなくはないんですが…
そういう邪推は、直ぐにストップがかかるのは、
まぁきっと、私が彼らのファンだからなんでしょうね。(苦笑)
そういう所は、感情が入るから。
フィルターかかると、違う見え方になりますから。(苦笑)
で。
真実を知ったいすずは慌てて、話しに行こうとするんですが、
でも、もう、始まってしまっていた。
リヒコと悪鬼、そして青鬼のシーン。
現れた悪鬼に、闘いを挑むリヒコは
顔が全然違って、本当に険しい表情で。
「あれは人だ!」
我が物顔でいる事が許せなくて。
笑顔が似合う子に、こんな表情させたらアカン!
って切に思いながら、
見守る事しかできない歯がゆさを感じておりましたよ…。
そして、そこで、青鬼達も真実を知る。
で、長とヤビコのシーンへ。
長を信じてついてきたけど、本当にこのままで良いのか
と不安を吐露して。
そして、斬ろうとする。でも、斬れない。
そして、真実を知ったツカリ達がやってきて、
やっぱり斬りかかろうとする。
この辺りの長の心情は凄く複雑だと思うので、
もっと落とし込んで理解したかった部分だったりします。
過去の回想シーンとかを鑑みるに、
彼女は、いすずのお父ちゃんが悪鬼になる瞬間に
立ち会っていると思うから。
一座の先代が悪鬼になってしまった後も、
それでも足げく鬼の里に通っていた
いすずのお父ちゃんから、いろんな話を聞いていたと思う。
その中に『悪鬼というものの存在が、鬼ではなく人から産れる』
という話が出ていないのはおかしい。
仮説だったにしろ、もしかしたら程度ではないはずなんだ。
それでも、それを認めなかったのは。
悪鬼となったお父ちゃんを認めたくなかったからなのか。
とか。
人が悪鬼になるというのは彼女の中で裏切り行為だったのかな。
とか。
本当、もっと深読みできる部分だと思うんですが、
流石にそこまでは無理でしたからね…。
そして、やってくる黒鬼。人間のエゴの塊。
人を信じたくて、同じ鬼である赤鬼を見捨ててまで
心を鬼にしようとしたのに、また裏切られた。
取り返しのつかない事をしてしまったと嘆く長に
トヨクモはまだそうではないと希望の道を示す。
姿形が全てじゃない。
『鬼が人を襲い、鬼が人を守る』
そして、人を襲うのは悪鬼。
悪鬼という悲しい存在でなければ、共存の道は開ける。
だから、最後のラストバトルで、長とトヨクモは
それぞれのカラーの、悪鬼に模した衣装を身に纏い、
鬼を守るために鬼に斬られる事を選んだ。
…でも、この時、凄く思うのは。
長はわかるんですよ。
だって、この事態を引き起こしたのは自分だという後悔がある。
その少し前の闘いの中で、
僅かな正気を取り戻した先代やお父ちゃんの悪鬼達が
斬られていくのもわかる。
でも、何故、そこにトヨクモもいるのか。
「逃げて逃げて、逃げてやる!」
と生きる事を強く望んだ彼が、何故?
…それはつまり、自分の事じゃなくて、
鬼全体の事を想って出た言葉だったんだろうな、と。
本当、トヨクモ視点でみてると、切ないんですよね…。
繰り返しになってしまいますが最初は、
戦闘モードに入って全力で闘うという意志。
ラストバトルを盛り上げる為の戦闘色か何かかと
思ってたんですが、全然違う。
あれは悪鬼だ。
悪鬼のフリをしたトヨクモと長だ。
…って考えていって、ふと疑問に思うのは、
最後、踊り子さん達の中に、黒の悪鬼いるんですよね。
彼は、どういう立ち位置なんだろう?
人の中にも悪鬼はいるよ。って事を暗に示しているのかな。
物語の途中や、オープニングではなく、
ラストにいる意味はなんだろう?
悪鬼も人だよ、怖くないよ。って事なんだろうか。
『姿形が全てじゃない』の部分にからめて、
注目してみたい人でありました。
って、話がまとまらなくなってきたので、少し戻しまして…。
ラストバトルは本当に切なかった。
リヒコも切ない。
トヨクモも切ない。
みんな切ない。
オープニングとアクションの動きはほぼ一緒なのに、
意味合いが全然違った。感情が全然違った。
特にリヒコなんて、
最初のアクションシーンで、あんなに楽しそうに
じゃれるように笑顔で闘っていた子だったのに。
後半は、闘いの熾烈さからだけじゃなく
心の悲痛な叫びが聞こえるかのような必死の形相で。
本当、比較できるからこその違いが
ビシビシと伝わってくる感じでした。
踊り子さん達もね。
最初の無表情とは打って変わって、もの凄い笑顔なの。
『魅せたいもの』を強調する為に
繰り返すという方法があると思いますが。
ただ繰り返すだけじゃなく、それを昇華させていく感じで、
そこにちゃんと意味があって、演出としても凄いなぁと。
あ、あと、そういや、後半、男が殴りかかろうとするのは
長官ではなく、長官の息子の少年なんですよね。
そして、殴れないまま終わる。
それは、何故なのだろう。
大人として、子供である彼を殴れないのかな?
…でも、間違えてしまった子供に、
それが間違っている事なのだと伝えるには
時には必要な事だとは思うんですが…。
それは自分の役目ではないと思ったのかな?
その答えはわかりませんが、でも。
謎の存在の男の事なので、深追いせず
謎のままでも良いかなと思っている私がいます。(苦笑)
そして全てが終わって、いすずはまた手帳を開きます。
寧ろ、書き足します。
「傍にいたのに、激烈ショック」
これは、千秋楽観終わった後に、
会場の入口で一番最初に貰ったチラシを
改めて手に取った時の私の言葉でもあります。
…でも、だからこそ。
もしかしたら、一番、贅沢な楽しみ方ができたのかなとも
思ってるんですけどね。
本来の設定では、
青年は、長官の息子である少年の未来の姿だ。
いすずの記録と彼の後悔の記憶とを追体験する形で物語は進む。
でも私は初見で
青年は、いすずのお父ちゃんの若い頃だと思ってしまった。
鬼の事が大好きな彼だから、
いすずが生きている現在の時間に漂いながら
必死に、『人』というものを止めようとしているのだ。
と思ってた。
青年は、いすずのお父ちゃんの過去であり、
そして悪鬼になった瞬間に
悪鬼とにわかれたお父ちゃんの良心。
そうやって捉えながら、みる事ができたんです。
多少、辻褄が合わずに謎が残る部分もあったけれど、
でもそれは、青年という存在の特異性で全て
納得できてしまう範囲のものだった。
ラストシーンも、いすずが青年に渡すのが鬼のお面なので
余計に意地が悪いというか…。
あぁ、彼は鬼になったんだね。って思っちゃったんだもの。
人であるいすずと、鬼となったお父ちゃんの魂が
最後、笑顔でやりとりをする。
もの凄く重いテーマを抱えているのに
観劇直後の感想として、すっきりと終われるのは、
彼らの憑き物が落ちたような笑顔があるからだ。
…と、思っていたら実際は違っていて。
「信じていた、信じ込まされていた」
を、まんま体感できましたからね。(苦笑)
そして、それが。
もしかしたら、それも狙ってたんじゃないかと思う節もあるので
もし本当にそういう演出の意図だったとしたら、
考えた手嶋さんの頭の中は一体、どうなってるんだろう。
って、ただただ凄いと思うばかりで。
…実際の所はわかりませんけどね。(苦笑)
って、話が逸れてしまったついでに、
もう少し憶測妄想話を続けますと
配役とか、キャラの設定とかに愛があるなぁ。
って思ってたりする部分があったりします。
この辺り、上手く説明できなくて語弊を招きそうなので
否定的なものでは決してない、という前置きをしますが。
RE-actの皆様が今回演じてたキャラのイメージや立ち位置、
観劇前に予習としてDVDで観た前回公演と
大体、一緒な印象だったんですよね。
だから、物語上の登場人物
役としてのキャラクターが先にあるんじゃなくて、
キャストの個性が出せるように、
役や物語の方を作っていった感じだったんじゃないかと…。
役者さんの場合、
毎回同じような役だと、芸の幅が広がっていかないだろうし
観客としても、物足りなく感じる事もあるかもなんですが。
RE-actさんは、役者さんというよりも表現者であり、
やはり、メインはアクションなので、
そういうのを求めるのは違う話で。
むしろ、逆に。
その人の魅力を最大限引き出すようなキャラ作りって
その人の事をちゃんと理解していないとできない事だし、
それがベースにあって、それらをまとめあげて
一つの作品を作っていくのって、とても凄い事。
だから、愛があるなぁと。
私は専門家でも評論家でもなんでもないけど、
そんな風に感じたのでありました。
っと、さて。
全く見当違いかもしれない話はこれくらいにしまして
物語もラストまで辿り着いたんだし、
いい加減、最期のまとめに入る所だと思うんですが…
流れですっ飛ばしてしまった『人』視点の話があるので、
まだ終わりません。(苦笑)
でも、既にかなり長くなってしまっているので、
時系列無視して、ざっくばらんにザクザクと。
長官の行動の遅さに、業を煮やした少年が、
自分でやると言い出すシーン。
鞭で長官をペシペシ叩きながら花道から登場するんだけど、
花道がちゃんと観える位置じゃないと
その鞭の存在が少々わかり辛くて…。
その後の舞台上で、男が鞭を持ってるのを
なんで突然?って思いながら観てたので、
千秋楽で、謎がとけた感じでした。
黒鬼を自ら率いて、自分も黒鬼になって。
そんな青年が、脱ぎ捨てた黒鬼の衣装を
拾う男は何を思うのか。
悪鬼となって苦しむ親友の姿をみて、二度と
こんな哀しい存在を産み出してはいけないと強く思う男。
けど、そのやり方は非道で。
人が鬼の里で死ななければ良い。
人が鬼の里で死んでしまう原因である『鬼』の存在を
根絶やしにしてしまえば良い。
自分勝手極まりない『人』の論理。
それでも、共存の道を探すいすずの想いに触れ。
いつしか、それを応援しようと変わる。
その考え方の変わるタイミングがどこだったのかは
正確にはわからないままなんですが、
でもそこに、少年と青年の存在が関係していたら
個人的には嬉しかったりします。
少年を止めようとするんだけど、
当然、その伸ばした手は空を切り、倒れ込む青年。
その必死さが、
いすずのお父ちゃんだと思ってた時よりも
未来少年だと気付いた後の方が、よりリアルで切なかった。
そして終盤。
鬼に襲われて怯える少年に対して、長官が
「お前が!」って親らしく怒ってわからせるシーン。
この時の青年の手は空を切らずに、少年の頭を叩く。
それに驚く少年なんだけど、
それよりももっと驚いてるのが青年で。
で、ですよ!
その時の青年の目がね、もの凄く綺麗なんですよ!
信じられない!っていう驚愕が強く伝わってくる綺麗な目で。
私、目の演技が好きなので
その目を間近で観る事ができただけでも
花道側にいた価値あると思いましたよね、本気で。(笑)
あと、いすずのお父ちゃんが悪鬼になるシーンで
帽子を深く被ったお父ちゃんが登場する訳なんですけどね。
御顔は全く見えないんだけど、
背格好や雰囲気的なものが青年にそっくりで。
衣装チェンジの早業とか、いろんな事考えると違うんだけど
でも、似てるからなぁ…。
って一応、確認してみたら、やっぱり違う人で。
たまたま似てる人だっただけ。との事でしたが
でも、そこも敢えて、
雰囲気が似てる人をチョイスしてたら
だから、演出の意図ズルい。(苦笑)
っと、こんな所ですかね。
登場人物一人一人に深読みポイントがあって
全員、キャラ語りできる勢いだけど、
でも流石にそれは自重してますし、
アクションについては、語れる程の知識等が無いので
ただただ、凄かった!
としか言葉が見つからないし。(苦笑)
本当、舞台の感想と一概にいっても
物語、お話としての感想。
役者さんの演技等への感想。
舞台という作品全体に対する感想。
等々、色んな視点があって。
その視点の変化で感想の方も
全く違う意見が出てきたりするものなんですが。
全てにおいて良かった!
と思える作品に久方ぶりに出会えて本当に良かった!
ここまで長々と語ってきて、最後、まとめようとしたら、
『凄く良かった!』
この一言で終わってしまう自分の語彙力の無さが残念ですが、
でも、事実なので仕方がありません。(苦笑)

