2年前

言葉を残して死んだ叔父


『家を売ってくれと

 紘子夫婦が言ってきた。

 けれど、

 売っていないからな。』





叔父さん



貴方が末期ガンと分かった翌月に、

登記は変更されていた


貴方は知らずに逝った



訪問看護師と紘子は

緊急時のために

叔父の家の合鍵を

預かっていた










貴方が死んで

7日後



紘子の弟が


側に立ち



顔を近付け

声を荒げて言った


『登記は変更されてるんだ!
 何も言うな!!』


チンピラの様な

脅かし方。




そこから


調べ続けて

時が来るのを待ち

準備して来た



叔父さん

年内には

頭を下げさせるよ