白胡椒のニュアンスって・・・? | ワシントンワインのインポーター日記

白胡椒のニュアンスって・・・?

  • Traminer
  • Savagnin Rosé Aromatique
  • Gentil Rosé Aromatique
  • Traminer Aromatico
Q: さてこれらはなんの名前でしょう?


A: ゲヴュルツトラミネールのシノニム(別名)。

   ワシントンワインのインポーター日記




イタリアはアルト=アディジェの村、トラミンが原産地と言われる葡萄品種。
トラミンは今でもアルプスの風光明媚なリゾート地として有名です。
この葡萄、今ではフランスのアルザス地方の代名詞となっていますが、ドイツのプファルツ地方で主に栽培されてきた歴史があります。果皮は若干黒っぽいです。アメリカのワインメイカー達はそういえば "pinkish"って呼んでいました。
一見、黒葡萄ですが、ここからあの綺麗な白ワインが生まれるなんて、不思議ですよね。

(み)はこの葡萄が大好きです。
特にコレを使ったDryな味わいのものがお気に入りです。
と、なると、やはりアルザスものなのですが・・・(Joshmeyerのが今の所一番のお気に入り)
ライチの香りが代表的で、更に薔薇の香りやアザレア蜂蜜、良質なオレンジマーマレードの香りなども持っています。マンゴー等の香りが強く出るのはオーストラリアやチリに顕著です。
遅摘みになると、リースリングのようなペトロール香も出てくるので、たまに間違えたりしますが、酸の度合いが低いのが特徴なのでそれも慣れてくれば判明できるようになると思います。
と、まあワインの教科書的な話はここまで。

この葡萄、名前の前半についている "Gewürz" は、ドイツ語で【香辛料】って意味なのですが、一体どこに香辛料が??と、いつも思っていました。
ワシントンワインのインポーター日記

この馥郁とした、多種にわたる強い芳香が「スパイシー」だから、ゲヴュルツって言うのだと教わりましたが、こんな甘い香りを振りまいてそれはないだろう!というのが私の中ではずっとありまして・・・ドイツの葡萄図鑑を見てハーバルな余韻と言う言葉にひっかかりました。

ワインでは【ハーバル】 【ハーブ系】という表現が良く使われますが、例えばニュージーランドのソーヴィニョン・ブランは今や世界的標準と言われていて、これも【ハーバル】と表現されます。実に上手い言い方だと思います。というのも、私は「ネギ」の香りがすると思っても、その言葉をストレートにお客様に言うと「ネギ臭いの?」と思われて敬遠されてしまっても困るからです。でも香辛料にしたって、ハーブにしたって、その範囲は広大で・・・しかもドイツ語圏で【ゲヴュルツ】というと、どこかに【ピリッとした】というイメージがあるのは自分の中では拭えません。絶対、何かがある・・・!と私は睨んでおりました。



で、今回飲んだワイン、ドイツの白だったんですが、これはプファルツの古い醸造所、Reichsrat von Buhl のSTUCKというワインです。リースリングとゲヴュルツの混醸。
これを飲んだときに、あ!と思いました。

 このワインには最後に白胡椒のニュアンスがあるのです。ピリっと、舌を刺すまさにゲヴュルツの言葉通りの刺激。



これってやっぱりリースリングから来るもの?
教科書には白胡椒というキーワードはリースリングにつながりますよね・・・。でも今まで飲んだリースリングには白胡椒の香りはあっても、ここまで感覚的に刺激があったものは無かったのです。熟成であっても、若くあっても。


というわけでこじ付けですが、この胡椒っぽさはゲヴュルツトラミネール由来であると信じたい・・・!


香りはゲヴュルツが最初に鼻腔に到達。白薔薇のような香りです。それからリースリング特有の桃、続いてアカシア蜂蜜。若くてミネラル溢れるリースリングの綺麗な酸がゆるやかに上ってきて、白胡椒、3秒あいてマルメロの甘いアフターノートで、フィニッシュ。

素晴らしい構成だと思います。


何よりも私が好きなスパイシーな料理には言わずもがな。
思いっきり冷しても充分楽しめる、しっかりとした味わい。
美味しかったなあ、これ。
ネットで3300円で売っていました。(み)