今回紹介するのはこちら

『崩壊:スターレイル』

1年ちょい前、リリース直前ファイナルβテストのPTは1700万再生を超えていて、原神のあの会社が作るターン制RPG、という期待の大きさがうかがえた。


原神は土台の無い新規IPでありながら開発費100億を2週間で回収するという売れ方をしてビックリしたけれど、その原神も3年以上経って落ち着き、今はスターレイルが稼ぎ頭という状況だ。



1.宇宙ステーション「ヘルタ」



物語の冒頭は宇宙ステーション「ヘルタ」が襲撃を受ける所から始まる。
いわゆるチュートリアルにあたるパートだが、主人公ではなく謎の女性キャラを操作して、ストーリーを進めながらチュートリアルを進める事になる。

その後、ある理由で眠っていた主人公が「凄いパワーを持ったなんかヤバい物質」である「星核」を埋め込まれて目覚め、主人公目線での旅が始まるわけだ。

この流れが、空回り気味である。

おそらく開発側は何度も見直しただろうしβテスターからのフィードバックもあっただろうけど、結果としては「なんか、よくわからない」というプレイヤーが多かった。

クリストファー・ノーラン監督の映画の途中で寝る人は間違いなくついて来れていなかったのではないだろうか(笑



2.ヤリーロVI


宇宙ステーションの騒動を収めた主人公は「開拓」の運命を行く「星穹列車」に加わり、一行は寒波に覆われた星ヤリーロVIへと向かう。

そこには「凄いパワーを持ったなんかヤバい物質」である星核があるらしく、「存護」の加護によりかろうじて寒波から逃れられている都市「ベロブルグ」で調査を開始する。

欧州を思わせる建築様式が建ち並ぶ地上部と荒廃した暗い地下街で構成されるベロブルグ、主人公達は地上と地下の確執や星核をめぐるベロブルグの歴史などを知り、ヤリーロVIを滅亡から救う為に忙しく駆け回る。

という流れなのだが、全体的に暗い…

基本的に白銀の世界なので色調が暗いというわけではない。短調の曲ばっかり目立つし、なんか、暗い。

ストーリー的には「為政者の苦悩」という所がフォーカスされるべき部分だと思うが、それもぼやけた感じであまり没入できなかった。

話は変わるが、いくつか大事なポイントがあるので挙げておく。

・悲劇的な場面で空気を読まない発言をした「三月なのか」がプレイヤー達から「ノンデリなのか」の称号を与えられたのが、この星、ヤリーロVIである。

・主人公がやたらとゴミ箱に執着するという謎の性癖が判明したのが、この星、ヤリーロVIである。

・公共物を破壊した主人公に注意をしに来た兵士をボコボコにするというサイコパスぶりが判明したのも、この星、ヤリーロVIである。


3.仙舟「羅浮」


「巡狩」の星神を信奉する仙舟同盟、いくつかある仙舟の中の1つ、「羅浮」と呼ばれる星へと向かう。そこは列車の仲間である「丹恒」とも過去に因縁のある場所のようだった。

中国をモチーフとした世界観が広がる仙舟「羅浮」では「豊穣」「壊滅」「巡狩」など複数の派閥がせめぎあい、治安は保たれているものの水面下では火種が燻っていた。

「羅浮」のトップである景元将軍と親しくなった一行は、丹恒の過去を精算(?)し、壊滅の勢力を倒し羅浮を後にする。

という流れなのだが、惜しい!とても惜しい!
個々のキャラは立っているし、雲上の五騎士などの設定もかっこいい。しかし出し方、見せ方が下手すぎた…

雲上の五騎士が仙舟の人達にとってどういう存在だったのか、それがなぜ瓦解してしまったのか、というあたりをもう少し時間をかけて没入させてくれれば感情移入できたと思うが…


4.ピノコニー

やってまいりました、夢の地ピノコニー。
鬱展開が多いと評判のシナリオライターが担当しているという事で、夢の地というワードが不穏すぎる、と始まる前からザワついていた。


公開前の先行オープニング動画は600万再生。
ボーカル入りのダンサブルな音楽と合わせた事もこれまでの雰囲気をガラッと変え、期待を膨らませるのに十分な内容だった。伏線の仕込みにもなっていた。


この「ピノコニー」からスターレイルはセールス的にもゲーム評価的にも大きく変化していく事になる。


to be continued...