学生時代
僕は数年間銭湯通いをしていました
あと数時間で二十歳の誕生日
そんな少し寒い晩でした
銭湯の帰り道
商店街のアーケード
商店の閉まったシャッターの前に
その子はいました
段ボール箱に入れられて
外に出ようと前足で
ガサガサともがいていました
コロコロとした真っ白な仔犬
捨てられちゃったんだね…
僕は仔犬を抱き上げて
「一緒に来ますか?」と言いました
仔犬は何も言わなくて
ただジッと僕に抱かれているだけでした
着ていたジャンバーに仔犬を入れて
左手でキュッと抱き抱え
僕はゆっくり自転車のペダルをこぎました
仔犬を抱いていると
お腹がほんわかとして
暖かかったなぁ~
その頃僕は
アメリカに留学した先輩から預かった
雄猫の白美ちゃんと暮らしていました
白美ちゃんは
最初は何者が来たのかと
警戒していましたが
直ぐに二匹は仲良くなりました
僕は仔犬に
「金太郎」と名前をつけました
その日から
僕と白美と金太郎の生活が始まったのです
あの頃の事を思い出すにつけ
下宿の大家さんは
よく何も言わずに
部屋を貸してくれたものだと思います
今更ですが大家さん
白美と金太郎を飼うことを
文句も言わずに見逃してくれて
ありがとうございましたm(__)m