宗教的献身を無効に出来るのか?ということについてですが、神様への誓いであればそれは絶対だ、誰にもそれを取り消すことなど出来ないと言う話に成りかねませんし、それを言い出すとちょっと論点がズレてしまいますので、神様との約束とはき切り離して宗教組織に従う義務が続くのか?ということについて述べたいと思います。



従う義務といっても、自然消滅したり排斥になったり断絶したりすれば本人にとっては「従う義務?はぁ〜?そんなの関係ない」って感じに思われるかも知れませんが、ちょっと考えてください。



そういった方々がいつまでも無視されたり悪く言われたり、戻るのが当然のように言われてしまうのは、考え方によっては、


「本来なら組織に従う義務があるのにそうしない者だから」とみなされているとも言えます。



一般人やバプテスマまでいかなかった元研究生などと違った態度を取られるのは、悪い言い方をすれば、「組織の奴隷のくせに主人に歯向かい悪い行いをしたり逃亡奴隷となった者」だからとも言えます。



聖書時代に奴隷には一生消えないしるしを耳につけられたのと同じようなイメージを持たれているのではないでしょうか。



バプテスマとか献身って本来法的には何の拘束力も無いはずですが、相手側はあなたがしたのは誓約、契約だからこそ自分達の対応は正当な宗教行為だ!なんて思ってるのでしょう。


また、排斥者や断絶者の事を集団で無視せよとの指令を出したり邪悪な者呼ばわりするのは一般人からすれば人権侵害以外の何物でもない行為ですが、「正当な宗教行為だ」などとは言い逃れ出来ないようにするためにも考えておきましょう。



今回はエホバの証人のバプテスマがフランチャイズ契約のようなものと言えるのではないか?という観点から考えてみました。




まず、


契約期間は死ぬまでずーっと

となっています。



フランチャイズ加盟店がロイヤリティを支払う義務があるのと同じように、エホバの証人もちゃんと集会の出席や伝道活動、個人研究といった組織活動を全うし組織を益する者となるようにと当然のように要求されます。

たとえ入院していても意識があるなら15分は宣べ伝えよとか言われていますし、活発に活動してないなら長老たちから牧羊と言う名の圧力をめちゃくちゃ受けることになります。



フランチャイズ加盟店が類似事業をすることを禁止されている場合が多いのと同じように、エホバの証人も他の宗教に関わることが事細かく禁止されています。



またフランチャイズ加盟店が契約期間を満了する前に脱退したいというのであれば、大抵の場合けっこうな金額の違約金を支払わなければならないのと同じように、

エホバの証人ももしどうしても辞めたいというのなら違約金のようなペナルティーを支払わされます。



それは、つまり忌避による人権侵害を受け、反省して組織に戻ってくるまで悪行者として見下され続けるという条件を呑まなければその宗教を辞めることが出来ないからです。



もし家族や親族がエホバの証人ならそうした人からもほぼ無視状態や完全無視状態にもなりかねませんので支払う代価はかなり高額と言えます。




しかし、もしその宗教組織側に非があるが故に辞める場合でも違約金のようなものを支払わなければならないというのはおかしくないでしょうか?



実際のフランチャイズシステムにおいても、自分の都合だけで契約期間を満了する前に脱退したいというのであれば定められた違約金を支払わなければならないのは当然ですが、辞めざるを得ない理由をフランチャイズ本部側が作っている場合には逆に損害賠償を請求したり、違約金と相殺したりということもあります。



例えば判例ではこんなものがあります。



福岡高裁平成18131日(平成16年(ネ)第205号)(判例データベースからの引用)

被控訴人との間でフランチャイズ契約を結んでコンビニエンスストアを開店したものの、営業不振で閉店を余儀なくされた控訴人b及び1審原告aらが、被控訴人に対し、契約締結に先立って客観的かつ的確な情報を開示するなどの信義則上の保護義務を怠ったとして、損害賠償を求め、被控訴人がbに対し、同契約に基づく未送付金仕入代金等の支払を求めた事案の控訴審につき、n店の店舗立地評価は、被控訴人の店舗立地調査マニュアルとも齟齬しており、その結果、同評価の売上予想は相当に甘くなっているといわざるを得ないなど、被控訴人のbに対する対応には問題があり、この点において、被控訴人には信義則上の保護義務違反があると評価するほかないとし、控訴人らの請求を棄却した原判決を変更し、控訴人らの請求を一部認容した事例。 コンビニエンスストアのチェーン店を展開している一審被告との間でフランチャイズ契約を結んで本件店舗を開店したものの、営業不振で閉店を余儀なくされた一審原告ら夫婦が、一審被告に対し、契約締結にあたって保護義務としての情報提供義務を怠ったため、損害を被ったとして、損害賠償を求めた事案の控訴審で、一審被告は、損益分岐点をはるかに下回る売上予測の数値を一審原告らに開示しておらず、近隣店舗の売上実績に依拠して、本件店舗も損益分岐点をクリアーできるかのような説明に終始したのであるから、このような情報提供の在り方は大いに問題であって、一審被告には情報提供義務違反があることは明らかであるとして、開業費用、契約期間中の逸失利益、推計赤字分及び実質的共同経営者である妻の精神的苦痛に対する損害賠償を命じた事例。




ではフランチャイズ本部側がしてはいけないことや求められていることにはどんなものがあるでしょうか?



ぎまん的顧客誘引

実際のフランチャイズ・システムの内容よりも著しく優良又は有利であると誤認させ、競争者の加盟希望者を不当に誘引する。

ぎまん的顧客誘引に該当するか否かについての考慮事項

・予想売上、予想収益の算定が不合理

・ロイヤルティの算定方法の説明不足(例えば、売上総利益に廃棄ロス原価が含まれることを説明しない)

・自社のフランチャイズ・システムと他社のフランチャイズ・システムを客観的でない基準で比較し、自らのシステムが競争者に比べて優良又は有利であるかのような説明

・フランチャイズ契約を中途解約する場合、高額な違約金を本部に徴収されることについて説明しない



品質保証と信頼性の維持

・良好で均等な品質の原料、商品・役務を提供する。

品質に関する消費者からの苦情については、円満な解決をはかる。





どうでしょうか?



なんかエホバの証人の組織はこうした基準からしたらぜーんぶアウトみたいじゃないでしょうか?




・予想売上、予想収益の算定が不合理

皆さんは死を経験することなくハルマゲドンを生きて通過し楽園となった地上での永遠の命を楽しめる

などなど



・自社のフランチャイズ・システムと他社のフランチャイズ・システムを客観的でない基準で比較し、自らのシステムが競争者に比べて優良又は有利であるかのような説明

他の会社(宗教)は効果の無い無価値な商品しか取り扱っていないが、当社(エホバの証人)だけは唯一効果がある商品を扱っている!

商品も当社(エホバの証人)だけが最高品質の唯一の神由来のものだ!みたいな説明

などなど



・フランチャイズ契約を中途解約する場合、高額な違約金を本部に徴収されることについて説明しない

公式サイトで

エホバの証人を辞めることはできますか?とのタイトルで辞める際のペナルティには一切触れず「はい」と説明したり。







公式サイトの

エホバの証人ではなくなった人を避けますか?とのタイトルの部分でも、

「避けることはしません」

なんて答えたり。


解約できますか?



と、こんな感じで錯誤するように仕向けていますし。





・良好で均等な品質の原料、商品・役務を提供する。

品質に関する消費者からの苦情については、円満な解決をはかる。

商品の品質が悪いこと、つまり "真理" の内容成分について歴史的年代の改ざんや組織の問題の隠蔽などといった原料が用いられていることを知って改善を求めても・・・

問題の解決につとめて良好な品質になるように努めるどころか


 問題を隠蔽するためにさらにその加盟店の悪評を他の加盟店にも言いふらして「あの加盟店とは口を聞くな!やりとりするな!仲間外れにしてやれ!」なんて言いますし。





このようにエホバの証人が世のものと言って見下しているフランチャイズシステムにおいても守るべきルールというものが定められていて、フランチャイズの本部より立場が弱い加盟店も保護されているのですから、宗教的な献身も場合によっては取り消せて然るべきといえるのではないでしょうか?





最後に、



今回は宗教的献身をフランチャイズ契約と比較して場合によっては取り消せて然るべきだという点を取り上げましたが、


また近いうちに


宗教的献身は無効に出来るのか? 消費者契約法的な考え方とバプテスマ無効請求


というタイトルや


らい予防法違憲国家賠償訴訟判決とエホバの証人の霊的伝染病患者隔離政策


なーんてタイトルでも書いてみたいと計画しています。