今日、3か月前まで同じ店で働いていた水産のK先輩が来た。
どうやら、飲みに行くようだった。
「綿月君も来る?」
と聞かれ、初めは「大丈夫です!」と答えていた。
時刻は夜の7時過ぎ。
今日は社員がサブと自分の二人っきり。
仕事もまだ終わっていなかった。
開店までの値付けは間に合ってるもんだと思っている。
けれど、そこからが何故か遅くなる。
原因が掴めていなかった。
先輩が2人に増え、サブと4人で会話をしていた。
「ここだから言えるけれど、綿月君ぶっちゃけ遅い」
サブに言われ、急に不機嫌になった。
心のどこかで、サブの仕事のしなさっぷりには嫌気が存在していた。
けれども、一応は先輩、そんなこと言えるはずがない。
しかし、そんなやる気のない先輩に他の社員がいる前でそう言われた―。
それが非常に腹立たしかった。
その気持ちを抑えるかのようにこう言った。
「自分、もう帰っても良いですか?」
結局、飲みには参加しなかった。
付き合い悪いな、とも言われた。
今のあなたとは飲む気分じゃないのです。
明日の業務の一つ、発注の仕事を手短に済ませた頃、
K先輩が今日の売場について口を開いた。
聞くと、
「サイドエンドはもっと積むべきだ。
あの売場はあり得ない。
地区長が来たら絶対怒られる。
黒皮かじきのトレーサイズも間違っている。
生秋さけの詰め方がバラバラだ。
旬のシールを貼ったほうがいい。
さんまに新物シールが貼ってないものがある。
きついこと言うようだけど、今日の売場は火曜日の売場じゃない。」
確かにと思った。
そして更には、仕事が終わらない原因は値付けをする人間に責任があるとも言われた。
荷降ろしをしながら、売場で必要な商品を判断し選別する。
品出しをしながら、開店後に詰めて貰うもの、
翌日に必要な詰め作業を判断して指示する。
無駄な時間を無くして、パートに仕事をさせれば、
それで5時6時には上がれる。
それには値付けの人に懸っていると―
頑張っていこうと思った。
その為には何をすべきかー
まずは、仕事の遅さの原因となってる腰を接骨院で診て貰おうかな。
荷降ろしの効率化が図れたら、
降ろした荷物を積む順序、種類にも気を配って、
積める人間がやりやすいようにしないとだな。
詰めの効率化も図れれば、
値付けに専念が出来る。
あとは値付けのスピード。
値付けした商品を10段カートに並べる場所別に入れていく。
これだけでも、品出しの効率化も図れる。
具体的には、生食、刺身、刺身切盛、
この辺は売場を多く動くことなく品出しできるから、
細分化すると尚良しだけど、
1つのカートにまとめたい。
切身は切身で、フリーコーナーの商品はフリーコーナーでまとめることも重要だったりする。
時間がやばそうになって、パートさんにお願いする時、
余計に時間がかかってしまっては意味がないからね。
ふぅ。まずは明日店に行って雑務をこなそうかな…