<あらすじ>
郊外の一軒家に暮らすシングルマザーのダイアンと娘のクロエ。生まれつき体が弱く、車椅子生活を余儀なくされていたクロエをダイアンは溺愛し、献身的に世話してきた。一方、大学進学を望み、自立に向かおうとするクロエ。そんな中、健康管理に気をつかい将来の夢を応援してくれる母親にふと不信感を抱いたクロエは、ある恐ろしい事実に気づいてしまう。
母性という言葉からは、温かく包容力があるイメージを持つことができるが、行き過ぎた母性ほど恐ろしいものはないかもしれない。
母親として子供にたっぷりの愛情を注ぐことは当然であり、自分のしていることには何の落ち度もなく、正しいことをしている。
そこには『主観性』しかなく、社会的孤立の始まりにつながる。
『毒親』という言葉がまさにぴったりな作品。
タイトルの『RUN』には、日本の教育ではあまり馴染みのない別の意味がある。
個人的に育児と教育には、『俯瞰』と『客観性』が大切だと思う。