ニホンジカなどによる農林業被害が深刻となる中、県産のシカ肉を使った「ジビエ(野生鳥獣)料理」の普及を目指して、長野市などの12の料理店が8月をPR強化月間としてジビエ料理の周知に取り組む。
9月以降も参加店で提供を続け、ジビエ料理を活用して観光振興や地域活性化につなげようと意気込んでいる。
発案したのは、地域の特徴を生かした料理を開発するフードプランナーで、イタリア料理店を経営する滝口誠さん(31)。昨年3月に食のイベントで松本市の食肉卸業者と知り合ったことがきっかけだった。
滝口さんらは「ジビエ料理の店が増えれば、駆除した野生鳥獣の流通ルートも拡大し、商品のブランド化にもつながるのではないか」と意気投合。知り合いの店主に呼び掛けたところ、アジア料理店やラーメン店など長野市の11店と中野市の1店が参加を快諾した。
シカ肉の調理は初めての店も多く、今年6月から滝口さんが講師となって講習会を5回開催。毎回3、4品の調理方法を紹介し、シカ肉の血が混じると臭みの元になることなどをアドバイスした。各店は「安い、軟らかい、良い香り、おいしい」をモットーに独自メニューの開発に取り組んだ。
シカ肉を使ったハンバーガーやギョーザ、春巻き、カルパッチョ、お茶漬け、シカの骨でだしを取ったラーメンなどジャンルも様々な自慢の品がそろった。
全品1000円以下で提供し、お客が飽きないように、季節に合わせた新メニューや、イノシシ肉の料理も考案しているという。
シカ肉は鶏のささみのように高たんぱく、低カロリーの食材。貧血予防に役立つ鉄分や脂質代謝に関わるビタミンが多く、中性脂肪を減らす働きのあるドコサヘキサエン酸も含まれているという。
滝口さんは「シカ肉は臭いと思われがちだが、きちんと処理すればおいしくて健康にもいい。気軽に食べてもらえるきっかけになればうれしい」と期待する。
ポスターやチラシなどで12店を周知し、新規参加も募集している。問い合わせは、滝口さん経営のレストラン「トラットリア イル カロローゾ」へ。
出典:読売新聞