カルメン故郷に帰る | ウズブロイェニエのブログ

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カルメン故郷に帰る(1951年)

監督 木下恵介
出演 高峰秀子
   小林トシ子
   佐田啓二
   望月優子

**浅間山麓の村にかつて家出をしたおきんが、東京で成功をし故郷へ同僚を連れ凱旋した。村人たちはリリィ・カルメンことおきんを、村から出た芸術家として歓迎し向かい入れた。しかし、カルメンと同僚のマヤの言動は、あまりにも村には不釣り合いで、薄々彼女たちの東京での職業も村人たちに想像がついてしまい浮いた存在になってしまう**

邦画の記念すべき国産初のカラー映画は、木下恵介監督のすばらしい映画だった。高峰秀子+大自然はある意味最強。現代の映画からしてみると、とても綺麗なカラー映画とは思えないなりに、充分映画の中から美的なものが伝わってくる作品で、新しい時代の幕開けに相応しい木下監督の意欲作。しかも脱がないなりに高峰の役がストリッパーというのは、当時としてはロジックな意味でも衝撃的だったのではと想像できる。実際、高峰自身も役柄を知った時は驚いたらしいし。

高峰演じるリリィ・カルメンは、牛に頭を蹴られたことによって少々オツムが弱くなったのではという疑いのある人物。その後、家出をし東京で踊り子として名をあげたことによって同僚を連れ故郷へ凱旋するが、田舎暮らしの故郷の人々も次第に”ただの裸踊り”ではと嘲笑し始める。それでもカルメンは踊りに対して真摯に向き合い自身を芸術家の一人と思い込んでいて、最終的には故郷の人たちからも”これが芸術ってものなのでは”と思わせてしまう。
どんなに人が馬鹿げていると思えることでも大真面目に取り組む人間がいて、それをみて心が動かされる人間がいればそれで良い。何かを作る人間がいて、それに感動する人間がいれば芸術として成立するのだろう。格調だの品だの問題ではなく。難しいことは分からないが、芸術ってそういうものかもしれなし、そうであってもらいたい。芸術と呼ばれるものにも色々な種類のものがあるだろうけど、どうせならやっぱり楽しいほうが良い。興行収入も成功し、その後、海外でどの程度の評価がされたのか知らないが、こういった世界観をユーモラスに描ききってしまったこの映画はやはり凄いと思う。