かるーく読んでいたらびっくりした記事です。
- 2014年(ウクライナ)に欧米寄りの政権が誕生すると、プーチン大統領はロシア系の住民が多く、戦略的な要衝でもあったウクライナ南部のクリミアにひそかに軍の特殊部隊などを派遣。
- 軍事力も利用して一方的に併合した
- その1年後、プーチン大統領は当時、情勢が不利になった場合に備えて軍に核兵器の使用も視野に準備を進めるよう指示していたことまで明らかにした。
出典:【詳しく】ロシアがウクライナに軍事攻勢?その背景に何が?
ロシアのクリミア併合は軍事力の優位を利用したものだったわけですが、なんとプーチン大統領は核兵器の使用も念頭に置いていたそうです。少なくとも不利になったら核で脅すつもりだったのでしょう。
核兵器は現時点で最強の兵器です。それを使って恫喝されたら、非保有国はひとたまりもありません。外交安全保障において、核保有国は圧倒的に有利な地位にいると言えます。
さらに問題なのはNPTです。
**核兵器不拡散条約(NPT)
要は「既に核兵器を持っている国は削減の"交渉"をやってね。あ、持っていない国の核兵器保有は認めないから」と規定しているわけです。
核保有国は「核兵器」という特権化したカードを手にし、それを背景に外交安全保障政策を進める(ex.ロシアのクリミア併合、中国の海洋進出)。非保有国はそれに対抗するための核武装すら封じられている。NPTは「平和」から程遠い条約です。
現時点で持たざる国がとれる手段は、
- NPTを脱退して核兵器を開発する
- 核保有国と軍事同盟を結び「核の傘」に入る
しかありません。
もちろん、どちらの方法にも問題はあります。
核開発を始めたら核保有国を含めた国際社会から経済制裁を受けます。また、「核の傘」は相手国頼みの国家安全保障になってしまい、事実上、軍事的支配下に入るのと同じです。
とはいえ、そのいずれもなかったウクライナは固有の領土であるクリミア半島をロシアに強奪されました。もし、少なくともウクライナがモスクワに届く核ミサイルを持っていたら・・。ロシアによるクリミア併合は起きなかったでしょう。
そうなると、北朝鮮が核兵器を放棄することはないでしょう。核保有国になれば現体制を外国から脅かされるリスクが激減するからです。
さらには、NPTによって核保有特権を手にした中国は尖閣諸島への軍事的圧力を強め、台湾を飲み込もうとしています。
日本はそろそろこの残念で残酷な事実を直視しなければなりません。