
ヨーロッパに行くと、ロンドンのV&A美術館を初め、
大抵の大都市の美術館にはレースやテキスタイルのコレクションがあります。
そういったものを見るのは大好きなのですが、
そこにあるのは、今では実現不可能なほどの技術と時間をかけられた、
第1級のため息モノの品物ばかり。
私がユキ・パリスさんのコレクションに惹かれるのは、
そういったため息モノの品ももちろんあるのですが、それより、
少女達が当時の女性のたしなみのひとつとして練習した教習布や、サンプラー。
それに、実際に家庭で手作りして、使われていたようなハウスリネン類が多く集められているから。
それらを見て思うのは、「実際に自分でも作ってみたい」
また、「部分的にアレンジしたら、自分でもつくれそう」ということ。
ユキ・パリスさんは「手作りされる方の参考になれば」と私設ミュージアムをオープンした、
と本『手仕事に見るヨーロッパの暮らし』に書かれていますが、
まさにその意図どおりの意味で心惹かれます。