これは一生もの | ライター海江田の 『 シラフでは書けません。 』

これは一生もの

どえらいことが起こったよ。
最後まで信じていた?
いやー、とてもそんなことは。

J2第7節、東京ヴェルディ vs FC岐阜@味の素スタジアム。
前半、スココココーンって3点取られて、こらあかん、厄日に当たっちゃったと青くなった。
したら後半、84分から平本一樹、中後雅喜、杉本竜士、もっかい平本の4連発。
最後の2点はアディショナルタイムだからね。
いけいけになって平本がドリブルを仕掛けたとき、スタンドから湧き上がる地鳴りのような声がすごかった。
あれ、3000人ちょいのパワーじゃなかったよ。

4点目の逆転弾は、えっ、これ、くるのくるの? と机から身を乗りだして、バンザーイ!
あんなの初めてやった。
もう、サッカーってなんなんだろうって思った。

今日はあれこれ書く気が起きないなあ。
よし、寝よう。明日早いんだ。今治なんだ。
次節のジュビロ磐田戦が、なおいっそう楽しみになりました。


●掲載情報
『2015年の君たちは――。東京ヴェルディユース、花の92年組を追って。 最終回 離れていても、近くにいる』(フットボールチャンネル)
相馬将夏(ブリオベッカ浦安)の彼女の件は、さすがに書いていいか許可を取った。
「おもしろく書ける自信がある。彼女を傷つけないと約束する。だから任せろ」と。

例のダチョウ倶楽部は安田晃大のアイデアだそうだ。
キャンプ中、渋谷亮らが田村直也の部屋に相談にいったところ、ちょうど安田がいて「3人やったらダチョウでええやん」。
ひどく雑な発案だったが、それが幸いした。

最後のインタビューの相手は渋谷で、聞き終わったあとちょっとしんみりしちゃってさ。
「ずいぶん長い間取材してもらって、ほんとに」
「同期のみんなの様子も知れて、ありがたかったです」
「これからもヴェルディには、その、来てくれるんですかね」
律義に礼を言おうとしているんだなあと雰囲気でわかったが、こういうの照れちゃってダメね。
どうでもいい笑い話をして、また今度と別れた。
あと何年かしたら、からっとした感じで振り返られるだろう。

サッカーライティングの分野では、誰もやったことのないスタイル、手法でやりたかった。
いつからサッカーメディアの仕事は、選手を愛撫し、気持ちよくさせることが主題になっちゃったのかなと思ったりして。
先がどうなるかわからないドキュメンタリータッチで、書き手も揺れたり迷ったりしつつ、一緒に歩みを進めるような読み物をイメージしていた。
取材を続けながら、たぶんこれは一生に一度の仕事だろうなあ、と。
ほら、そういう出会いみたいなのは狙ってできないから。

この企画は、もともと一冊のノンフィクションにまとめる計画でスタートした。
タイミングを逸して書きこぼした話がかなりあり、赤字もそれなりにこさえてしまったので、どうにかしなければならない。
一段落したら、営業に入らんと。