創立記念日だった | ライター海江田の 『 シラフでは書けません。 』

創立記念日だった

今日は真面目に仕事ができなかった。

本を読んだり、物を片付けたり、広くもない家のなかをうろうろ、妙に気持ちがざわついている。


新体制がスタートした昨日、ランドに行った。

人々の様子に特に変わりはなかった。

選手たちは週末の試合に備えてトレーニングし、スタッフは来客を迎えたり会議で忙しく、ちびっこは今日も楽しいサッカーだとグラウンドへ出て行く。

ま、そういうもんだろう。

いきなり目に見えて変わったら、それはそれで変だ。


だが、クラブ内部の空気は相当変わっているようだ。

ある普及育成コーチが話してくれた。

「今日は最高の気分です。OBがクラブを救った。それも地道にクラブを応援してきたOBが。この瞬間に立ち会えたことが俺はうれしいッ。さぁ、サッカーやるぞ」

興奮気味である。

最初、僕は思わず笑ってしまったのだが、話を聞いているうちにちょっぴり涙がでた。

いままで、どうにかしたいと思いつつも無力感を抱えてきた人がきっとたくさんいるんだなァと、しみじみ思う。


もちろん、この美しさは一面でしかない。

今後、自分の身がどう扱われるのか不透明で、冷めた反応の人もいる。

角度を変えてみれば、いかようにも映るものだ。

それでも、真実の一部には違いない。


10月1日。

そんなクラブ創立記念日であった。