本の紹介

 

 1940年代ナチスドイツによるユダヤ人に対するホロコーストの時代が舞台です。

心理学者である著者フランクルが体験した強制収容所での暮らしがリアルに描かれています。

強制収容所での実際の出来事に加えて、心理学者として振り返った当時の心理状況の考察が行われています。

 


選んだ理由

 

 本屋さんで偶然見つけました。冒頭数行をよみ、購入を決めました。

もともと心理学には興味があったので読んでみようという気になりました。

アウシュビッツと名前は聞いたことがありましたが、虐殺が行われたことくらいしかわからず、具体的にどんなことがあったのかまで興味を抱いたことはありませんでした。

というのも、私、世界史が大の苦手なんです。

アラサーにもなって世界で起きたことを知らないなんて、恥ずかしいと思っていたんです。とてもコンプレックスでした。

世界史の本を買っても序盤で脱落してしまうような人間です。

それならば、体験記からはじめて、徐々に広げて世界を知ればいいのではないか?と思い至り購入することにしました。

 

 


学び

 

・究極まで追い詰められたとき、人は自分を保てる人間とそうでなく飲まれていく人間に分かれる。

・生きる目的を見失ったとき、その時がその人の免疫力を低下させ、死へのカウントダウンがはじまる。

・生きる希望を見出し、自分を見失わない人間だけが、人間らしさを忘れない。

・辛さや苦しさに向き合わない人はいつしか現実に生きる自分を見失ってしまう。

・追い詰められた経験をした人は、体が解放されてからも長い間傷を抱え、心からの解放に至るには相当な努力が必要である。

 

上記のようなことをこの一冊から学びました。


感想

 

 私たちが普段生活する環境からは想像もつかないような出来事だらけでした。人が人に対してこれだけのことをよくできるなと、驚きました。

悲しい歴史の一つとして、教訓として、生涯記憶にとどめて起きたい、そんな貴重な読書体験でした。

 

 

 私の生活で追い詰められることといえば、仕事でたまにあるかな?という程度です。フランクルさんに比べたらなんてちっぽけな悩みでしょう!

でも私たちは悩みます。人によっては悩みすぎて自分から命を絶つ人もいます。

 

きっと、人はみんな強いんです。

でも、その強さを発揮してしまうと、そのあとの反動としてメンタルに来る。

その点に関しては収容所生活でも、現代の生活でも変わっていないと思います。

無理をしないで生きていくのが一番幸せなのかもしれません。

 


まとめ

 

 本としては読みやすく、サクサク読めました。

けれども、内容が重たいので休憩しながら読んでいくことをお勧めします。

 

 歴史的な一件の内部がわかるため、高校生の時に読んでおきたかった本でした。

世界史を深く学ぶために役立ちます。

 

最後に

 著者のフランクルさんを尊敬します。

辛い体験を思い出しながら書くこと自体が辛いはずです。

ですが、彼は自身の専門である心理学のためにと書き起こしました。その勇気が素晴らしいと感じます。

また、収容所内での精神の保ち方や振る舞い、私には真似できないでしょう。

収容所においても自分を、希望を見失わないでいられる自信がありません。

それでも、私はこの世界でなんとか生きていきますね。

 

おしまい