「男は傷ついた王蟲(オウム)。(モテたかったら)ナウシカみてーになれ!」

 

そう言われたら、あなたはどう思いますか?

 

 

公式よりお借りしました

 

 

 

 

上のセリフはインパクトが強烈で覚えていたけれど、

久しぶりに引っ張りだしてきて読んだら、

名言が満載の漫画。

 

 

山田玲司『モテない女は罪である』

 

 

 

私は紙の書籍版をもっているけれど、

KindleUnlimitedに入ってれば無料対象のようですね。

 

 

モテない女性捜査官モリーが、

逮捕した伝説の女たらし蘭堂ナイル。

彼と付き合った女性は、途端にモテるようになるという。

 

モリーはナイルから、その秘密を聞きだす……といったストーリー。

 

 

男だから描ける女がモテる方法が描かれた本書。

 

 

プライドが高く傷つきやすい男性の気持ちを代弁するナイルの言葉は、

モリーと一緒にツッコミたくなるくらい

バカで単純で、

それでいて繊細。

 

 

日々世間の目や色んな評価にさらされて満身創痍の女性たち。

山田先生はそれを「心の内戦」と表現します。

 

 

「もうこれ以上傷つきたくない」

と恋愛に対して臆病になっている人も多いでしょう。

 

しかし、それは男性も同じ。

 

 

男性のほとんどにとって、女性は「怖い」か「めんどくさい」

 

聞くとショックですが、

これはスクールカーストの後遺症なのだそうです。

 

 

学生時代、女子からモテるのは全体で5%いるかいないかの

目立つ男子だけ。

 

『スラムダンク』でいう流川楓

『テニスの王子様』でいう越前リョーマ

 

女子は彼らに集中し、彼らしかモテない状態!

 

(山田先生は、別の動画でそう例えてました。

個人的には、スラムダンクもテニスの王子様も、イケメンのオンパレードな気がしますが)

 

 

その他95%の男子は、

女子から相手にされず、

廊下を歩いているだけで笑われ、

モブ扱いされ、

傷つくといった体験をしている。

 

 

だからこそ、女性が怖い。

 

 

それでも、いつか自分には

「アイドルみたいな

やさしくてかわいくて

恥じらいながらエロいことをしてくれる

 

そんな「天使」が

現われると信じている」

それが男。

 

「バカじゃないの!?」

とつっこむモリーに

 

「バカなんだよ!

 

お前たち女が

いつか自分をさらってくれる

「金持ちでイケメンの王子」を待ってるようにな」

 

グサっと刺さります。

 

 

男性も女性も同じ人間。

お互い異性に対して期待もあるけど、

傷つきたくない気持ちは同じ。

 

 

モテる女の条件はまず第一に

「笑ってることだよ」と言うナイルに

女だからってバカみたいにいつも笑ってられない!と反発するモリー。

 

それに対してのナイルの言葉

 

「人生だの世の中だのを

平等だと思うのはバカだろ」

 

「そもそも世間ってのが笑えねえし……

それでも笑って生きるやつが幸せになんだよ」

 

これは真理だな~と感じます。

 

 

笑いながら読めるのですが、

単にモテるためのスキルを描いてるのではなく、

男性という生き物、人間の心理の核心に触れていると感じるところもあり、

面白いです。

 

たとえば、

 

不機嫌をもちこむ人と、ご機嫌をもってくる人、

どっちと一緒にいたい?

 

これは男性だから女性だからに関わらず、

人間関係全般に言えますよね。

 

 

モテるために痩せなくてはいけないと思い込んでいるモリーに、

 

痩せたらモテる

太ったら捨てられる

「それ、ウソだぞ」

と言うナイル。

 

 

自分が好きで痩せたいなら痩せればいい。

自分が憧れる女性になってみたいなら、それもいい。

だが、「世間の好み」に合わせて自分を殺す……

 

「自分より世間とかいう幻を優先させていると

いつまでも苦しむぞ…」

 

 

これ!

婚活で苦しむ女性たちに聞いてほしい言葉!!

 

 

モテ力は人間の総合力。

魅力とは、「相手を幸せな気持ちにさせる何か」であり、

それが何かは人それぞれ。

 

知識・表情・聞く力、

変な顔や声のトーン、

人によっては太っていることだって魅力。

 

女を見た目で決める男は、自分の見た目にコンプレックスがある。

自分の問題。

 

これも、男性から女性に対してだけではなく、

女性から男性に対しても当てはまりますよね。

 

結局は人間力。

 

 

一方、

女性には分からない男性特有の心理だなと感じたところ。

 

 

男はどうしようもなくほめてもらいたい生き物

「すごいね」と言ってもらうために生きている。

 

だからこそ、男が言われたい言葉は

「すごい」

「教えて」

「こんなの初めて」

 

女性がこの言葉だけを聞くと、

え~!?

と感じてしまいそうですが、

男性にとっては、根本的な欲求を満たしてくれる言葉なんですね。

 

 

そんな男性たちは、小さな頃からヒーローにあこがれる。

ヒーローは、好きな女性や人々のために命をかけて戦うから。

 

男にとって一番の幸せは「必要とされること」なのだそうです。

 

 

何て健気なのでしょう。

 

男性も女性も、

傷つきたくないから

自分を守るために壁をつくる。

 

その壁のせいで相手のことがよく見えなくなっているけれど、

壁を壊してみれば、

そこにいるのは自分と同じ人間。

 

弱くて、さみしくて、

必死で強がっているただの人間。

 

 

最終話のタイトル「壁の向こうに」が象徴的です。

 

 

ただのモテるためのハウツー漫画じゃない。

婚活で傷つき、迷走している同志たちにぜひ読んでいただきたい本です。