『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』
仁科友里
一般的に言われる婚活の3原則
・出会いを求めて、合コンに積極的に出かけましょう
・運命の出会いに備えて、積極的に自分磨きをしましょう
・男性は料理上手な女性が好きです。胃袋をつかむため、料理教室に行きましょう。
だが、セオリーの実行には熱心でも、本当の目的について関心のない婚活女子に物申す!という導入から始まる本書。
婚活とは、合コンに行くことではなく、結婚したい男性を見つけること。
それなのに、女性たちは肝心の男性について知ろうとしない。
仕事だけではなく、婚活にもTPOがある。
婚活のTPOとは
T タイム(婚活をいつ始めるか、プロポーズはいつか、どんなとき婚活を休むべきか)
P プレイス (相手をどこで探すべきか)
O オトコ(一般的なTPOとは異なる部分、オトコを知れ!)
いきなりぐっと惹きつけられる冒頭です
タイム・プレイスは何となく分かる。
でもオトコ?
実際に男性がどんな心理でどういう行動をとるのか、
一生懸命婚活していても、分からないまま、
冒頭の婚活3大原則を愚直に信じて懸命に自分磨きに励む女性たちは多いと思います。
「足りないのは、魅力ではなく自信です」
料理上手、オトコを立てる、癒し系。
世間で流布する「理想のオンナ像」
自分に自信のない女性ほど、これらの理想のオンナ像に縛られ、
理想を目指して努力する。
また、そうではない部分を探しては自分を責め、
それを求める男性を恨む。
けれど、世の中の既婚女性全員が「理想のオンナ像」を満たしているか?
そう、結婚においては「理想のオンナ」であるかどうかは重要ではなく、そのための努力もムダ!
世の中でもてはやされる婚活セオリーに喧嘩を売るかのごとく
煽情的かつ切れ味の良い文章の数々。
でも実際のところ婚活女子たちも薄々分かってたであろう、
だからこそ耳にも胸にも痛い事実を、包み隠すことなく突きつけます。
この本は
婚活女子に「ちんころじ~」という男性の行動原理学を提唱しています。
男性の行動原理は、女性からは一見理解しがたいものが多いですが、
それはなぜかというと、
「オトコの判断には、無意識に性的メリットが絡む」
「オトコは性的メリットを優先する」
という身も蓋もない、
けれど、確かにそうであると納得せざるを得ない原理を
ズバッと言い当てています。
オトコにとって、オンナの中身とは外見の結果である。
つまり、外見がかわいければ中身もすばらしいよねという誤変換が起こる。
そういった男性の行動原理を知った上で、
女性はどう戦略を立てて行動すべきか?が
この本には書かれています。
男性に選ばれるのではなく、女性が男性を選ぶ
生物界の原則から言えば、これは当然のことながら、
現代の婚活市場ではこれが逆転し、
自分を責めて心を病む女性が続出しているような気がします。
「ちんころじ~」の目的は、
男性と対等になること、
男性から大切にされる女性になること。
結婚に至らない恋愛の多くは女性の立場が「下」である特徴があります。
男性から熱烈なアプローチで始まったはずなのに、いつの間にか女性が追いかけている。
けれど、「ちんころじ~」で形成の逆転を防止することができる、と作者は言います。
耳に痛いけれど、朗報です!
画期的だな~と感じたのが、
「10秒で自分の市場価値がわかる、相対的外見レベル5段階理論」
です。
自分の市場価値を客観的に分析し、そのレベルに合った出会い方、勝ちパターンを知ろうというもの。
「職場の女性同期」(外見以外の要素は同じ)をヒントに、
男性からの扱われ方で、
女性としての外見レベルのどの段階にいるのか5段階に分けています。
レベル5
いちばんちやほやされる。
用もないのに、オトコが寄ってくる。
新人時代から重要な取引先の宴席に連れていかれる。
レベル4
レベル5が、「営業男子に誘われたんだけど、一緒に飲みに行かない?」と最初に誘う子。
都市対抗野球など華やかな行事に駆り出される。
レベル3
レベル5,4,2,1以外。
納涼会、ボウリング大会、有志による歓送迎会など、
庶民的な会社行事の中心メンバーで、社内に幅広いネットワークをもつ。
レベル2
地味だが、キャラを立てて目立とうとする子。自虐系やアネゴが代表例。
座もちがいいので、レベル5の子や、オジさんから飲みに誘われることが多い。
レベル1
男性から敬語で話しかけられるか、話しかけられない。
下の名前やニックネームで呼ばれず、さんづけされる。
こう書かれると、自動的に自分の周囲の女性たちがどこに分類されるのか?という思考が働いてしまうこと請け合い。
しかしながら面白いのが、レベル5が一番結婚しやすいかと言うと決してそうではないというところです。
「外見がよければ結婚しやすいということではないし、
結婚生活の満足度に実は見た目はまったく関係ないのです」
むしろ、モテる自価格があるだけに普通の男性では満足できないレベル5こそ婚活難民になるので注意。
結婚に見た目のレベルは関係なく、
あくまで、向いているフィールドや戦略が違うだけのこと。
すべての男性からよいと思われる女性などこの世にいないのだから、
無駄に向いていない場所で戦い、自信を失うな!と檄が飛ばされます。
レベル5
瞬発力勝負の出会い(合コンや婚活パーティ)
レベル4
いちばん安定してモテる。
社内で一番人気の男性や、瞬発力勝負の出会いにも強い。
レベル3
社内の同じ部署など、近場の出会いが向く。
レベル2,1
趣味の集いや学生時代の知り合いなど、じっくり関係を育む長距離勝負の出会いが向いている。
なるほど~。
自分がどの立ち位置にいて、
どんな戦略をとれば結婚に近づきやすいかが丸わかりです
しかしこれ、レベル1~3で、既に対象の男性がいない場合詰んでしまうのではという気がしないでもない。
他の手法を考えようということでしょうか。
趣味はこれからでも作れるしね。
他にも、婚活女子には突き刺さるけれども、本質を突いた数々の名言がありました。
青年漫画を読め、グラビアを愛でろ
男性が本当に好む女性像は、青年漫画やグラビアにあり。
少女漫画やファッション誌に出てくる女性たちは、
それとはかけ離れている。
合コンのために服は買うな
女性にとってのファッションはセンスやこだわりのプレゼンテーション。
でも、多くの男性にとってそれはどうでもいい。
そもそも、合コンに来る、会ったこともない男性がどんな服を好むかなんて、わかるわけがない。
モテる女は毛玉だらけの服でもモテる!
それよりも、靴と香りと肌と髪。
20代と30代を見た目で見分けるのは難しいが、髪のツヤには差が出るそうです。
確かにこれ、見られている気がする~
やっていい自分磨きは、脱毛だけ
自分磨きが好きな人は、
極端に自分に自信がないか
頑張れば頑張ったぶんだけ報われてきたという平等社会の勝ち組
のどちらか。
後者が目指すのは「知的」というゾーンに属する自分磨き。
しかしながら、女性の思う知的と男性の思う知的には隔たりがある。
男性が「知的」とほめそやす壇蜜を見てみよう!
教養系のお稽古などせず、レーザー脱毛でもして露出を増やそう。
(グラビアアイドルは、メイクは薄めだけど肌が綺麗です)
行動原理も思考も心理も
これだけ女性とは違う男性
でも、男性がどんな生き物か、女性とはどう違うのかを知らずに
がむしゃらに自分磨きや出会いの場を増やすことに一生懸命になり
傷つく女性たちのいかに多いことでしょう。
男性と女性の違いが最初からわかっていれば、
不要な争いがすれ違いが減ると思うのです。
義務教育に組み込めば、女子校に通う学生や、
オトコ兄弟のいない女子もきっちりマスターできて、
晩婚化や少子化対策にもなるのではないでしょうか。
という著者の言葉のとおり、
まず知るべきは、世間に流通する誤った一般論ではなく、
男女の違い、
そして自分自身についてだな~と思いました。
世の中の婚活女性たちが、
無駄に傷ついて
本当は素晴らしい自分に自信をなくしてしまうようなことが減りますように!
私自身も含めて、ね。