夢闘派プロレス~松崎ミズーリ・ヘビー防衛!政宗包囲網ユニコーンスタイル決着つかず | プロレス表舞台の放浪記

プロレス表舞台の放浪記

一プロレス・ファンから、電子書籍『プロレス表舞台』を立ち上げた斉藤雅治が、プロレスと関わった日々を想いのまま、書き綴る。

 メインのミズーリ州ヘビー級選手権は、短時間ながらも重厚感があり内容の濃い試合で、メインを締めくくった。

 

■夢闘派プロレスリング「温故知新」 

日時:12月24日 開始:13:00  

会場:蕨・レッスル武闘館

 

 昨年暮れ、12月24日、クリスマス・イブ、夢闘派プロレスリング「温故知新」 が、埼玉・蕨のレッスル武闘館(アイスリボン道場)にて開催。全3試合、メインでは松崎和彦がクラッシャー高橋を破り、ミズーリ州ヘビー級王座を防衛に成功した。

 セミ・ファイナルが第1試合(ダークマッチ後)という意表を突いたマッチメイクであったが「ユニコーンスタイル3on3」という斬新な試合方式でフルタイムのドロー、大熱戦を展開した。

 夢闘派プロレス2018年の最後を飾ったメインは、松崎番長 vs. クラッシャー高橋によるミズーリ州ヘビー級選手権。70~80年代にかけ、本場アメリカNWAの総本山を中心に行われた伝説の王座が復活した訳だが、両ベテランによりクラッシックで重量感に溢れる試合が展開された。

 厳粛な雰囲気の中、スタートした闘いも、この場外乱闘の辺りから動き出す。この後、高橋が松崎の額を鉄柱に叩きつけ主導権を握ると、リングに戻るとスピニング・トゥ・ホールド。何とかこれを、キックで逃れた松崎だったが、勝負を急いだランニング・ネックブリーカーをかわされ自爆。

 1本目のフィニッシュとなった高橋の風車固め。引き込むようにあっという間にもっていったが見事に決まった。

 1本先取され、後のない番長であったが、一瞬の返し技で2本目はタイに追いつく。インサイド・クレイドル⇒スクールボーイから立て続けの逆さ押さえ込みは完全に高橋の両腕をロックし、思い切り両足を開いて踏ん張る松崎。2本目開始からわずか2分49秒の速攻であったが、説得力充分なフィニッシュとなった。

 61分3本勝負と長丁場が予測される中、トータル試合時間が12分13秒とスピーディな試合展開となった。その間、何と3度の場外乱闘の大サービス?があった訳だが、3本ともピンフォールによるリング内での決着がつき観客から見ても満足のゆく試合内容だったのではないか。

 リング内に戻った両雄。番長の必殺、バックドロップは、宙で体を捻って、覆いかぶさり防いだ高橋が、豪快なブレーンバスターを炸裂。

 2発目、番長のバックドロップもトップロープを蹴って体勢を崩させた高橋であったが・・・最後は、番長の切り札、ランニング・ネックブリーカー・ドロップの2連発を喰らっては堪らない。ヘビー級の迫力を感じさせるド迫力、番長が見事な勝利を飾った。

 

<第2試合 ミズーリ州ヘビー級選手権試合61分3本勝負>
○(王者)松崎和彦(2-1)クラッシャー高橋(挑戦者)●
①○高橋(6分40秒 風車固め)松崎●
②○松崎(9分29秒 逆さ押さえ込み)高橋●
③○松崎(12分13秒、フライングネックブリーカードロップ⇒片エビ固め)高橋●
※松崎が王座防衛
※試合時間はマラソンタイム

 

 セミで行われた「ユニコーンスタイル3on3」は渡辺宏志 vs. 山田太郎のシングルマッチから始まった。

 それにしても、こんな試合方法があったのか・・・ウマイこと考えたものだと思わず感心してしまった。

 「ユニコーンスタイル3on3」とは・・・互いに選出された3選手 vs. 3選手による対戦方式。1本目、各チームから選出された1選手同士によるシングルマッチを行う。

 2本目、残りの2選手同士によるタッグマッチを行い2連勝した方が勝ちとなるが、勝負が着かない場合は、3本目、6人タッグによる決着戦を行うという斬新な試みだ。

 試合時間は、今回トータルで61分。選出された3選手のチームは、それぞれ渡辺宏志、加藤茂郎、佐藤泰チームと、政宗、山田太郎、磯秀弥チーム。いずれもレスリングの出来る、ツワモノだけに、どんな組み合わせになるのか試合前より妄想が沸き立つ。

 シングル、タッグの組合せは全部で9種類だが、いずれも興味深い闘いで、発表までワクワクさせられた。

 この試合の見所は、両雄の足殺しの攻防。様々なバリエーションで足攻撃を行うが、攻めてる方も、気を抜くと足首を取られヒールホールドを極められたり油断できない。写真は山田の左足をレッグロックに捕らえながらも、同時に山田の右足を自らの頭を支点に攻撃する複合技を見せる渡辺。

 両雄のグラウンドでの攻防は、実に味わい深い展開となる。写真は山田の足をデスロックに決めブリッジで攻める渡辺。

 ビル・ロビンソン張りのフェイント・ムーブメントで山田を翻弄する渡辺。この後、最近のプロレスでは見る機会がめっきり減ってしまった基本技、ショルダー・スルー4連発の出血大サービスを行う渡辺。

 ロープに逃げようとする山田の左足を取った渡辺は、リング中央へ引き戻しステップ・オーバー・トゥ・ホールド、何とかロープに手を伸ばす山田だが・・・山田の足を四の字に固め裏足四の字固めへ移行する渡辺。

 山田はこの日、ロープを利した巧みな攻撃を多用していた。

 サソリ固めに入る体勢からステップオーバーせず固める。こちらの方が両雄の顔が見え、絵になります。

 この日、山田は、序盤より渡辺の左膝を中心に攻撃を仕掛けていた。技のバリエーションを変え攻撃している為、何気に見ていると気づかないが、この辺りは山田の巧さであろうか。

 終盤でも山田による渡辺の左膝攻撃が再開。マットにうつ伏せの渡辺の左足首を持ち上げ、マットに叩きつけると同時にエルボー・ドロップを合わせる。更に、渡辺の左足首を持ち上げ、ジャンプ一番、自ら尻もちをつくようにして渡辺の左膝をマットに叩きつける。

 写真は、渡辺の足をデスロックで固めた山田は、そのまま担ぎ上げ、ジャンプして、渡辺の膝をマットに叩きつける荒技。

 尚も山田が、グラウンドで渡辺の左足へ膝十字固めから、渡辺の左足をロープに掛けての攻撃。更に、山田は自らの右膝を支点に、向き合うようなカタチでの変形スタンドでの膝十字固め。山田の蛇のようにしつこい左膝攻撃が続いたが、ここで渡辺が、山田の右足首をヒールホールドで固めペースを取り戻す。

 勝負に出た渡辺が、ワンハンド・バックブリーカーから~のバックドロップを仕掛けるも、山田がトップロープを蹴った為、体勢が崩れた。両者の両肩がマットに着いてるのを見て、レフェリーのミスター村杉が、両手でマットを叩きカウントを数えるも「スリーカウント」直前、山田の右肩が上がり、レフェリーも、とっさに左手のみがマットを叩いた。一瞬の厳格なレフェリーの判断が勝負の分かれ目となった。

 1本目、シングルマッチで山田が渡辺を破り1-0で先制、残りの4人で2本目〝佐藤、加藤 vs. 政宗、磯〟のタッグマッチに突入。

 佐藤 vs. 政宗は一騎打ち(6月3日、新木場・Bumb東京スポーツ文化館)にてレスリングを主体にした熱戦を展開し、好試合は確約されていたが、個人的には加藤 vs. 政宗の絡みに注目。

 両チームとも、ジャンケンにて最初にどっちが出るかを決定、佐藤にグーで勝利した加藤が先発し、磯との対決からスタート。軽い手合せの後、磯が政宗にスイッチし、序盤より加藤 vs. 政宗の対決が実現。グラウンドでのレスリング、ポジションの取り合いは互角の動きであったが、ここで加藤が老獪さを発揮し政宗を自軍のコーナーへ。政宗の顔面をかきむしると、二人がかりで攻撃する加藤&佐藤。

 今佐藤の右リストをマットに固定し右腕を上から押しつける政宗。佐藤の表情が苦痛に歪む。

 顔じゃないと言わんばかりに磯をコーナー・ターンバックルに叩きつける加藤。

 磯のショルダースルーに加藤は宙で真っ逆さまに。お馴染みコーナーポストからのデドリードライブもそうだが、空中での一瞬、伸びきった姿勢が美しい加藤。

 遂に加藤が政宗を足四の字に捕らえたが・・・

 四の字を掛けられた体勢から立ち上がり、加藤を丸め込む政宗。一瞬ヒヤリとさせられた場面だ。

 再び四の字を狙うタイミングで加藤を丸め込む政宗。

 佐藤にサーフボード・ホールドをかけながらも、同時に佐藤の右リストも固める政宗。

 6月の対決の際も、レスリングの動きで佐藤を翻弄した政宗だが、佐藤と政宗の対決は、今回も政宗ペースで展開した。

 佐藤のピンチに、カットに入ろうとする加藤を政宗がコーナーに釘づけに押さえ、その間、リング中央では佐藤と磯の攻防。脇固めを仕掛ける磯を、佐藤が絶妙に丸め込み、大逆転フォール。

 2本目のタッグマッチを終え、スコアは1-1のタイとなる。死力を尽くした佐藤は、勝負が終わったかのような表情だが、ここから決勝の6人タッグへ。

 流れるように6人タッグに突入し、両軍入り乱れての大乱戦となる中、加藤はのっけから山田を、ジャンプ一番、強烈なドリルアホール・パイルドライバーでマットに突き刺した。

 渡辺がアントニオ・ドライバーばりのフロント・ネックチャンスリー・ドロップで山田を投げ飛ばす。

 加藤に負けじと、磯も渡辺にジャンプしてのドリルアホール・パイルドライバー。

 山田のムーンサルト・プレスが渡辺に炸裂!

 自軍コーナーで政宗が、トペ・アトミコで渡辺にダイブすると、山田、磯も後に続く。

 タッグに続き6人タッグでも加藤は随所に老獪さで、気づくと試合の主導権を握っていた。

 1本目シングルマッチよりスタートした〝ユニコーンスタイル3on3〟も、あっという間、3本目、61分が経過し時間切れ引分けとなった。目一杯、闘った割に、全く時間の経過を感じさせなかったのは、つど変わる試合方式の故か?試合方式の変化と言っても、ひも解いてみると通常のシングル、タッグ、6人タッグと変わらないのだが、新鮮な顔合わせと展開の速さも興味を後押ししたようだ。

 写真は勝ちどきを上げ、先に美味しいところを持っていく政宗、磯、山田のトリオ。この時、佐藤はサードロープに縛り付けられ身動きが取れないでいた。

 今度は、是非とも政宗と加藤の一騎打ちを見たいと思った次第。

 

<第1試合 ユニコーンスタイル3on3 61分3本勝負>
△渡辺宏志、加藤茂郎、佐藤泰(1-1)政宗、山田太郎、磯秀弥△

※ユニコーンスタイル3on3/3名対3名のチーム戦。1本目シングル、2本目は残りの2名づつがタッグで戦い、決着がつかなかった場合3本目で6人タッグを行う。

①○山田(25分15秒 体固め)渡辺●
※渡辺のバックドロップを山田がトップロープを蹴った反動で潰し、同体ダブルフォールの体勢から山田が肩を上げた


②○佐藤、加藤(50分26秒 エビ固め)政宗、磯●
※佐藤が磯に脇固めを掛けられた状態から丸め込む

③△渡辺、佐藤、加藤(61分 時間切れ)政宗、山田、磯△
※試合時間はマラソンタイム

 

 ダークマッチ、夢闘派指名選手Xとして登場したのは、いきなりホー・デス・ミン。ベトナム国旗を掲げ登場ゲートに現れた瞬間からいきなり会場を支配しホー・デス・ミン一色に染まる。赤のコスチューム背中には「訪死民」の文字。

 スピアーを炸裂させた辺りから、若い高杉が勢いで攻勢に転じる。串刺しラリアット、ブレーンバスター、サンセットフリップと連発する高杉であったが、一瞬の隙をつきホー・デス・ミンの足四の字固めが炸裂。同体で場外に転がり落ち、一度、足が解けたが、再び場外で足四の字に固めるホー・デス・ミン。両リンかと思われたが・・・・

 リング内に戻り、再び足四の字を仕掛けるホー・デス・ミン。残り時間10秒、時間切れ引分けかと思われたが、高杉、耐えきれず無念のタップ。

 残り時間ギリギリでの、まさ~かの決着に場内は大爆発。ホー・デス・ミンが怪気炎を上げた。

 

<ダークマッチ10分1本勝負
○夢闘派指名選手X=ホー・デス・ミン(9分50秒 足4の字固め)高杉祐希●

 

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