プロレスの醍醐味満載!DSW最終章~後半戦レポ | プロレス表舞台の放浪記

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一プロレス・ファンから、電子書籍『プロレス表舞台』を立ち上げた斉藤雅治が、プロレスと関わった日々を想いのまま、書き綴る。

 

 20日、大盛況のうちに感動的なフィナーレを迎えたDSW最終章、試合結果は既にお知らせの通り、今回は後半戦(~メインまで)を中心にレポートします。

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尚、前半戦の模様は、また後日レポートします。

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「昔はプロレスが好きだったけど、もう見なくなってしまった人達を、もう一度、会場に呼び戻したい。今のプロレスより、もっと面白いプロレスを提供します。」

DSWを開催する意義について、リング上よりファンに訴えたジミー鈴木氏。

 超満員300人のファンで埋め尽くされた館内より、大「DSW」コールが沸き起こり、ジミーも感激。他に言いたいこともあったが、言葉を詰まらせた。

 

 1年5ヶ月前に旗揚げしたDSW、4回目の大会となる今大会は「最終章」を謳い文句に開催された。

 前大会では、ジミー鈴木が退職金を前借りし、開催に漕ぎつけた訳だが、資金回収は成らず。ファンの強い後押しで今大会も開催へと向かった。

 更に、今回は、強力なパートナー、ガンダーラ鈴木との協力も大きい。

ガンダラーの冒頭挨拶によると「ジミーさんと、250万の経費を折半。300人の観衆が入っても、1列目が1万円、それ以外が全て5000円の入場料で計算すると、約100万円の赤字。つまり、僕とジミーさんが100万の損、お客様側が100万円分の得ということです。今日、ご来場頂いたお客様はラッキーなんです。その分、楽しんで下さい。」

 

 新木場の会場費であれば、通常なら100人も入れば赤字にならないだろうが、何せ、今大会は特別だ。豪華外人レスラー、更には、総勢60名以上に及ぶレスラー及びキャスト、こんな採算度外視の興行は、前代未聞だ。

 日本のプロレス史に、また新たな伝説が生まれた。

 

 折しも、この日はアントニオ猪木さんの誕生日、ターザン山本は赤の闘魂タオルに、猪木ヨーロッパ遠征「キラー・イノキ」のTシャツ姿で登場。大いに会場を盛り上げた。

 

 試合はオープニングマッチも含め、全9試合、恐竜パワーあり、CACCあり、タイトルマッチあり・・・・様々な仕掛け、試合形式で“頭からしっぽまで”全く飽きさせることなくDSWワールド全開。

 大歓声と熱烈な「DSW」コールが沸き起こり、新木場マットがプロレス黄金時代にタイムスリップしたような錯覚を覚えた。

 

 当初の予定通り、DSWは今回が「最終章」これで終わりである事がハッキリすると、ファンからは口惜しむ声援。

 ここでジミー鈴木氏より、9月に名称をTCW(Tokyo Championship Wrestling)として新団体の旗揚げを宣言。

 

 大赤字の興行であったが、プロレスの底力はまだまだ健在であると証明された。今回は、9月大会への先行投資・・・まだまだプロレスの未来は明るい。

 

■DSW「最終章」

日時:2月20日 開始:19:00

会場:新木場・1st’Ring

(観衆300人)

 メインイベントを飾ったのは、恐竜パワーコンビ、超大型外人レスラーと、大型日本人組による、ド迫力タッグマッチ。

 国内では、規格外のパワーを見せ、相手がいない宮本和志が本領を発揮。これぞプロレスの醍醐味だ。

 ジミー鈴木氏は「宮本を必ずブレイクさせてやる。」とフィナーレで語っていたが、TCWで宮本の活躍に期待したい。

 KENSOも得意の張り手を連発し、堂々、恐竜パワーに立ち向かう。

 レフェリーの死角をついて、ロープでKENSOの首絞めをするマイク・ヒューズ。

 マイクをタックルで吹っ飛ばす宮本。

 これは豪快!恐竜パワーコンビの合体技。マイクがバックドロップでKENSOを投げるのに合わせ、ブロディのダイビング・ラリアット。マイクの身体も宙に浮く。

 マイクが場外で宮本とやり合う中、リング上ではブロディのフルネルソンがKENSOを捕らえる。古典的な技で仕留めるプロレスが行われた。

 とにかくデカい外人組。レフェリーのソフト今井が子供のように見える。

闘い終わってノーサイド。

 

<第8試合 ダブルメインエベント第二試合タッグマッチ60分一本勝負 >

●KENSO、宮本和志

 15分28秒、フルネルソン

〇ブロディ・スティール、カウボーイ・マイク・ヒューズ

 当初参加予定のディーン・オールマークが足の負傷により急遽、代役として来日したロビー・ダイナマイト。

 ジミー氏も絶賛のテクニシャン、オールマークと昨年度、東スポ・プロレス大賞「技能賞」受賞の鈴木秀樹の絡みは、自分も一番楽しみにしていたのだが・・・・今後の楽しみに取っておこう。

 Wメイン第二試合目がパワーの激突なら、Wメイン第一試合のこの試合は、テクニック合戦だ。

 試合は、ロビーがオールマークの代役を見事にこなし、スタートから鈴木との一騎打ち。両雄の素早いレスリングの攻防は、見応え充分。互いの裏をかきながらの攻防は、正にプロフェッショナルを感じさせた。両雄の対決をもっと見たかったが、タッグマッチで、鈴木は松本に出番を譲る。

 松本 vs. UTAMAROの闘いも、レスリングとブラジリアン柔術の攻防がスゥイングし、互いにライバル心を前面に押し出し白熱した展開となった。

 松本がマットに両足を前に投げ出して座り「かかって来い」とアピールし、UTAMAROの攻撃を両足で巧みにかわす。今度は、UTAMAROがマットに仰向けに寝そべり、松本を挑発。互いに一歩も引かず、意地の張り合いだ。

 UTAMAROの意外な側面が披露された。

 体格では、圧倒的に勝る鈴木。ロビーをワンハンド・バックブリーカーで叩きつける。この後、鈴木は試合を松本に任せ自分は一歩引くカタチとなった。

 UTAMAROを場外に落とす鈴木。場外で鈴木とUTAMAROがやり合う中、ロビーが松本を仕留めた。

 それぞれのシングル対決を今度は見てみたい。

 

<第7試合 ダブルメインエベント第一試合タッグマッチ60分一本勝負>

UTAMARO、〇ロビー・ダイナマイト

 6分53秒、ツームストーン・パイルドライバー⇒体固め

鈴木秀樹、●松本崇寿

 西村に奪われた、NKPWヘビー級ベルトを奪回すべく、ガンチョルのリターンマッチ。特異なキャラで、DSWで人気者のガンチョル人気が、新木場マットでも爆発した。

 いつもの「ジンギスカン」のテーマ曲に乗ってダンスしながらの入場は今回なかったが、相変わらず憎めないキャラは健在。

 正直言って、ガンチョルは、凄く強さを感じさせる訳でも、技が切れる訳でもない。

 明るく憎めない天然キャラ、ありのまま全てをさらけ出し、格好悪い姿も包み隠さず露出して、気付くと何となく応援したくなってくるから不思議である。

 一本目、必死に西村の足四の字に耐えたガンチョルだったが、最後は敢え無く、タップ。

 ガンチョルがトップロープ越えのダイブで、会場は大爆発。DSW前大会でも、ダイブが大ウケだったのをガンチョルは覚えていたか。格好悪く情けない姿からのギャップが、また堪らない。

 二本目を頭突きからのピンで奪い返したガンチョルは、三本目も頭突きのラッシュ。

 ロープ際でもガンチョルが頭突きで追い込むが、西村がタイミングを合わせ、回転エビ固めで決勝のフォールを奪いタイトル防衛。

 試合に負けたガンチョルだったが、会場の人気を独占。感情を前面に押し出したファイトは観客の心を捕らえた。

 

<第6試合 セミファイナルNKPWヘビー級選手権試合61分三本勝負>

〇西村修(王者) vs. ユン・ガンチョル●

①〇西村(11分21秒、足四の字固め)ガンチョル●

②●西村(5分11秒、頭突き⇒体固め)ガンチョル〇

③〇西村(2分34秒、回転エビ固め)ガンチョル●

※西村がタイトル防衛。

 加藤がジャンピング・ドリルアホール・パイルドライバー2連発で、勢いづくイケメンに意地を見せた。

 

 ディーン・オールマーク選手の来日が中止となった中、実を言うと私が今大会で、一番注目していた試合が、この加藤&千葉組 vs. 田中&イケメンのタッグマッチだ。

 ど・インディ・マットで活躍の加藤、千葉のプロレスが、プロレスの世界基準と言われる田中将斗にどこまで通用するのか。ど・インディから這い上がり、今や大人気のイケメンと闘うとどうなるのか。異分子同士のぶつかり合いは、どんな化学変化を起こすのか楽しみであった。

 案の定、試合は今大会最高の盛り上がりを見せた。

 

 ファイト・オブ・ザ・リングのマットでは絶対王者として不敗の王座防衛を継続する加藤、千葉組。それを快く思わない鈴木GMが何とか王座から引きずり降ろそうと画策。3日前(17日)には、ブロディ・スティール、マイク・ヒューズ組の恐竜パワーコンビに反則勝で辛くも王座防衛。それをうけ、GMがDSWでタイトルを賭けて闘えと要請、加藤、千葉組がベルトを腰に入場したのでタイトルマッチと錯覚したが・・・

 

 イケメンの入場は相変わらず、大盛り上がり。田中将斗まで、ジャケット姿でイケメンに合わせた。

 試合は千葉が捕まり、完全にイケメン組ペースで展開、会場も「イケメン・コール」が爆発「イケメン・ワールド」が会場を独占した。

 開始より「イケメン・ワールド」一色に染まった感の会場であったが、加藤も逆襲。フレアー・ムーブと加藤流プロレスを展開すると、会場に熱烈な「カトウ・コール」が沸起る。私自身も、こんな熱のこもった「カトウ・コール」を聞いたのは初めてであった。「チバ・コール」も沸起り、試合が展開する中で観客にも化学変化が起こり始めた。

 この日の観客は、最近の観客と客層が若干異なるようで、熱烈な思いでプロレス観戦をしている方が多いように感じた。

 一方的に押されまくっていた千葉も、意地を見せ反撃。

 千葉、加藤にたて続けにラリアットを連発する田中。この日、田中はイケメンを引き立て、自らは試合の要所要所を締めていた。

 イケメンのルシファーズ・ハンマーで千葉は後頭部からマットに叩きつけられ、首がくの字に曲がり一瞬ヒヤリとさせられた。

 最後は千葉が捕まった。イケメンのファルコン・アローから田中がスライディングDでお膳立てしたところで、再びイケメンがムーンサルトでフィニッシュ。

 闘い終わり、敗者の加藤、千葉組を称える田中&イケメン。また、どこかのマットで見てみたいと思わせる熱戦であった。

 

<第5試合 タッグマッチ45分一本勝負>

加藤茂郎、●千葉智紹(王者組)

 13分32秒、ムーンサルトプレス

田中将斗、〇黒潮イケメン二郎

 

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※前半戦は後ほどレポートします。

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