■『五井先生ワールド』(第五巻)

この身 このまま 平和の祈り

(10~12ページ)

 

五井先生の詩

 神なき人類の悲哀

 

神から離れていると云う事は

何んと哀しい事なのであろう

一度ならず二度までも

世界中の人間が戦い合って

多くの兄弟を無意義に死なせた昨日までの事を

もうすっかり忘れ去つてでもしまつたように

自我欲望に盲いきつた国々が

又もや戦いの火華を散らす

自分が死にたくないと云う事は

人も死にたくないという事

自分が自由を欲するように

人も自由を欲するもの

人を死なせて自分だけ生きようとする

人を縛つて自分だけ自由になろうとする

そうした生き方は神の世界では許されもせず存在もしない

 

そんな判(わか)りきつた倫理さえ

神を離れたあなた方には判らない

判らずやの駄々子(だだこ)の年端(としは)もゆかぬ幼児か

教養も思想もまるでもたぬ市井(しせい)無頼(ぶらい)の徒のように

弱小国から腕づくで自分の欲しいものを強奪する

あわれと云うか 愚と云うか

魔性の虜(とりこ)の三大国

力と力とぶつかり合う

修羅の姿の地獄絵を

三度び此の世に繰り返えそうと云う

大底抜けの大白痴業想念の明き盲

どんな罵倒にも値しない無明界の闇芝居

 

日本よ 日本人よ

如何なる無明の闇の中でも

神から離れてはならない

神の子である事を忘れてはならない

業想念の波にさらわれ

修羅の巷(ちまた)に足を踏み入れてはならない

世界がどのように砕けようとも

私たちは心に神の光明を輝かし

世界平和の祈りをつづけてゆくのみだ