■『日々の祈り』から

(五井昌久著、高橋英雄編)白光出版

 

5月24日

「この世界をうるおすもの」

(1/4)

 

 ふつうは愛情と呼ばれているように、愛の心も働きとしては情のような形で他に及ぼしていくことが多いのですから、情はいけないなどと極端な言葉で簡単にいうことは出来ません。母子の場合、夫婦の場合、恋愛の場合、すべて愛の行為は愛情として互いの間に働きかけるわけです。(2/4)

 

 

 情はあくまで業因縁の世界の感情でありまして、この情の中に愛の光が輝いてきますと、自己を生かし、人をも生かす働きとなってまいり、執着の想念が強く働くと、自己をも他をも滅ぼすマイナス面として現れてくるのです。(3/4)

 

といって、情という感情がなければ、この世界に生活の味がなくなり、慈悲心の働きかけも無味なものになってしまうのです。(4/4)