■『日々の祈り』から

(五井昌久著、高橋英雄編)白光出版

 

5月10日

「灯があるから闇が見分けられる」

(1/5)

 

 駄目な人間だ、と自己否定することは、心の内部の善い自己が思うのです。駄目な人間そのものが自己の駄目なことをわかりようがないからです。(2/5)

 

例えていえば、闇の道に立っていては、闇以外の何ものもないのですが、灯をもって立っていれば、明るいところと暗いところがハッキリ区別がつくようなもので、自己の内部の心の灯が、自己を蔽う闇を、これは暗い、いかん駄目だ、と否定するようなものです。(3/5)

 

すると自分は悪い、自分は駄目だ、と自己を否定することは悔(くい)ということになります。その自己否定即ち悔は、自己をもっと善いものにしたい、という心の転換を内に含んでいるわけです。(4/5)

 

そこでその想いを転回させて、一歩踏み出せば、善なるものへの前進となり、改心、自己肯定となってゆくわけです。(5/5)