『衣食住足りて礼節を知る』


という言葉があります。




「豊かである」


というのは、この言葉に集約されるように、



① 衣食住が足りていて、

② 礼節(礼儀と節度)を理解し、実践し、

③ 心を落ち着けて、笑って暮らせること



ではないかと思います。




戦争というのは、

突き詰めれば

「足りない」という不平等感と、

「嫌いだ」という嫌悪感

によって、起こるものだと思います。




逆を言えば、

「足らない」と思わない、質素倹約で、心を落ち着けて生活することができ、

また、周りの人を尊重し、他の人を受け入れる心を持てば、

戦争など起こらないのでは?




経済とか、発展とか、物質的な豊かさとか、


今は、そういうものが、一番大切のように考えられています。




いや、もしかすると、そういうふうに洗脳されてしまっている、

と言ってしまっても良いかもしれない。






だから、金を稼ぐとか、モノを持つとか、

そういうことが、

「良い」こと、「かっこいい」こと、

と思われているのではないか。



そう思うのです。




そういう理屈でいくと、


日本の経済世界第二位という地位から陥落した、

GDPが下がった、

日本が没落する、


大変だ、大変だ。



社会保障が将来なくなる、

国が守ってくれなくなる、


大変だ、大変だ。





そうなります。



お金がある生活に慣れてしまったから、

お金がない生活に耐えられない。

お金がない生活を不安に思う。





そういう「金持ち」の心境です。



なんだかんだ言っても、



世界的に見れば、

日本人はほぼ例外なく「金持ち」です。




だから、大変だ、大変だ。



没落する。


危機が訪れる。





そういう恐怖感から離れられない。







でも、好きな人と一緒に居られること。


食べ物と、住む場所と、着るものがあること。




それだけでも、十分「豊か」ではないですか?








それ以上に何を望むのでしょう?












高度経済成長期、というのがありました。







自分は経験していませんが、


その時代の人たちは、




今となっては、もう65歳過ぎ、あるいは十分高齢者で、


ふらふら遊んで暮らしています。





でも、現役時代の苦労は、


今の比ではなかったはずです。





まさしく、今の東北地方のような状態から、




今まさに自分たちが享受している、




この安定して、穏やかで、華やかな日本社会までを






作ってきたのですから。






最近、自分たちが、


長時間労働で大変だとか、


安い給料で大変だとか、




労働環境がとか、






色々文句言いますよね。







でも、俺らは多分何か勘違いしていると思うんだけど、






俺らは、本当に、戦後を復興してきた人以上に、



「努力」をし、「工夫」をし、戦っているのだろうか、




とね。





「昔の人たちはすごかった、偉かった」






そういうことを、今の人たちが思っている時点で、



俺たちは彼らに「負けている」んです。






だから、今の団塊の世代以上の生活をする権利なんかないはずです。








その世代の人たち以上に頑張れないのだとすれば、




俺たちは、没落しようが、経済的に落ち込もうが、


そういう世界を生きるのは、当たり前ではないかと思うのです。





週休2日?




一日8時間労働?





それで自分たちの生活だとか人生が「安定」なんかするはずないでしょう。





昔の人からみたら、


それは、


頑張っても、努力しても、勉強しても、必死になってもいないのだから。






でも良いんです。






そういうものだと諦めることができれば。





諦めることができれば、


私たちは「豊かに」暮らしていくことができます。





着るものも、住む場所も、食べるものも、全部ある。


礼節は、忘れてしまったけども、


それを再び取り戻せば、私たちは、きっと心落ち着けて、生きていけるのではないでしょうか。






私たちは、


自分が努力した以上、自分が働いた価値以上の収入は手に入れられません。





自分たちが、かつての日本人よりも

頑張っていない、命を張っていない、必死になっていないのだとすれば、



それ以上の価値の収入はありえないのだと思います。







もしカネが欲しいなら、



「自分が社会を変える」

「自分が世界を良くする」



それぐらいの気概がなければ、無理でしょうね。


そう思うと、FXとかでカネを稼ごうとかいう発想を持っている人は、

どうなんだろうね、


と思ったりします。



「アメリカだかイギリスで、金融サービスが勃興して、国が豊かになった」




みたいなことを言っていた人がいましたが、



それで、誰が「豊かに」なったんですか?


食べるものがおいしくなったんですか?


働くなくても暮らしを維持できる人が増えたんですか?


美しいものを鑑賞し評価できる心が育ったんですか?


あるいは、途上国の人の生活水準が上がったんですか?


先進国の、貧しい人が少なくなったんですか?


教育が充実して、人の知性が高まったんですか?








そういう軸を見誤っている人が、世の中に、日本に限らず世界にも、多すぎると思います。




逆に、そういう軸をもっと多くの人が理解できたら、


世界はもっと平和に、豊かになっていくのではないかと思うのです。




自分が仕事をするというのは、


世界でそういうことを実現していくことに目標や目的が置かれるべきなのではないかと思うんです。




そうでなかったら、


いざ死ぬ時に、


ちょっと空しいような気がするんだよね。




死ぬ時に、心豊かに死ねる人生。




それを目指していくべきなのではないかと思うのです。






p.s.
スティーブ・ジョブズのStanfordでの講演。

彼は講演の中で「人生と死」というテーマを持っていたように思います。

彼は、日本特有の「死生観」をよく理解し、共感していたのではないかと思います。

彼の作品からは、そういう哲学が感じられます。

自分は、日本人であることのメリットをその部分に感じています。


自分たちは、もっと日本について、日本人について、その精神について、文化について、

もっともっと理解し、共感し、そして取り戻し、更には深めていく努力をすべきだと思う。


それが引いては、日本という国を世界で一番「豊か」にし、

そして世界に「幸せ」を提供していける国になるのではないかと思うのです。