おはようございます。買収騒動もおさまりつつある阪神タイガースがなんと三連敗です。好機にあと一本が出ず、欲求不満が募ります。本当に、あと一歩・・・「紙一重」なんですけど・・・。

No.331:紙一重

紙一重:一枚の紙の厚さほどのきわめてわずかな違い。

 村上氏が逮捕された6月5日、愛読している「星野仙一のオンラインレポート 」に興味深い記事が掲載されました。

 村上氏の言動に、強い「不快感」を示し、自らの進退にまで言及していた星野氏ですから、なにがしかの「コメント」を期待するのは無理からぬところです。

 ところが、あえてその話題には触れず、代わりにある「映画」の話をしているのです。「ふと甦る『映画』の記憶」と題したコラムは、何度も言いますが、実に興味深いものだったのです。(*ネタバレなんで注意してください!)

 不覚にも観ていなかった私は、早速、「TSUTAYA」で借りてきました。「卒業の朝」という映画です。


東宝
卒業の朝


 ストーリーは、こんなふうに紹介されています。

2001年のある日、アメリカの名門男子校でかつて教師をしていたウイリアム・ハンダートの元に、25年前に卒業した教え子セジウィック・ベルから一通の招待状が届いた。招待の目的は、25年前にベルが屈辱のうちに敗れたコンテストのリマッチを行いたいというものであった。ベルはハンダートが教師生活の中で一番手を焼いた生徒。ハンダートは希望を持ってベルの招きに応じるが・・・。



卒業の朝


 優れた教育者を父に持つ「ハンダート教師」は、生徒に「学問を教える」ことは、優れた「人格形成」にもつながるという強い「信念」を持っています。そこに現れた転校生「ベル」は、上院議員の息子で、世の中なんて「要領のよい奴が成功を収める、人を出し抜くことが成功の秘訣」・・・というようにどこか「達観」して「斜に構えた態度」で、授業に身が入りません。

 いつの間にか、「マイナスの影響」を与えて生徒たちの人気者になっていく「ベル」を、なんとか「更生」させたいとある「コンテスト」に挑戦することを提案します。それは、「ジュリアス・シーザー・コンテスト」といい、上位3位までの成績優秀者が、古代ローマ史の知識を競い合い、「ハンダート」が出題する問題に挑戦するという大変神聖な大会でした。

 この「コンテスト」に向け、「ハンダート」はやってはいけないことを犯してしまいます。テストの結果、3位と1点差だった「ベル」に対し、つい手心を加えて3位にしてしまうのです。

 その上、「コンテスト」の最中、上院議員の父親も見守る中、ぬけぬけと「カンニング」を実行している「ベル」に気づいた「ハンダート」は、「不正」を正そうとするものの、学長の「見逃せ!」という指示にしぶしぶ従ってしまうのです。

 結局、この事件のあと、「ハンダート」は「罪の意識」に苦しみながらも、自己の信念をまっとうして教師の道を続けます。「ベル」はといえば、「不正」に気づきながらも、学長と父親の手前、「妥協」せざるを得なかった「ハンダート」に失望し、ますます高をくくりながらも、親のコネを駆使して、名門大学を卒業し、事業にも成功していきます。

 そんなふたりが25年後に「対峙」する場面がこの映画の見所です。

 「信念」や「美徳」を貫きながらも、自分の犯した「罪」を後悔し、必死に生きていく「ハンダート」・・・「目的」のためなら「手段」も選ばず、時には人をだまし、うそもつく「ベル」・・・

 そして、もう一人の人物、「ハンダート」の「手心」によって4位に甘んじた「マーティー」がからんできて、ドラマは、思わぬ展開を見せるのです。

 生きるとは?教えるとは?教わるとは?・・・父親とは?先生とは?友人とは?・・・本当に、さまざまなことを考えさせられる奥の深い映画でした。

 今度はぜひ「原作」を読んでみたいと思っています。



イーサン ケイニン, Ethan Canin, 柴田 元幸
宮殿泥棒

PS.

 強い心と弱い心、良い心と悪い心・・・誰もが、その狭間で悩み、苦しむ。まさしく「紙一重」なんだが、結果的には「雲泥の差」になってしまうんだと・・・。