おはようございます。桜の開花が伝えられ、陽気も景気も回復傾向のようです。日経新聞がこんな報道をしています。


 主要企業が新卒採用を一段と拡大する。日本経済新聞社が21日まとめた2007年度の採用計画調査(一次集計)では大卒が06年度の実績見込みに比べ21.3%増える。20%台の増加は3年連続。個人向けサービスを強化する金融や、2007年問題で技術者の確保を急ぐ電機などが意欲的な採用計画を打ち出し、全体を押し上げている。


 新卒者にとっては、「広き門」となりそうで、企業側にすると、人材の確保が難航することが予想されます。企業の「ありのまま 」を知ってもらって、「共感」を得ることが大切だと思います。



No.279:メイク・ア・ウィッシュ!


先日、「メイク・ア・ウィッシュの大野さん」を読みました。例によって、通勤電車でです。涙が潤んできてたまりませんでした。


大野 寿子
メイク・ア・ウィッシュの大野さん
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「メイク・ア・ウィッシュ」は1980年にアメリカで発足したそうです。アリゾナに住む、クリスという7歳の男の子は警察官になるのが夢でした。しかし白血病にかかり、学校に行くこともできなくなってしまいました。この少年の話を聞いたアリゾナ警察の警察官たちは、本物そっくりの制服とヘルメットとバッジを用意し、クリスを名誉警察官に任命することにしたのです。小さな名誉警察官は規則に従って宣誓し、駐車違反の取締りもし、また、ヘリコプターに乗って空からの監視もさせてもらいました。ミニチュアのバイクもプレゼントされクリスは大喜びでした。




5日後、クリスは亡くなりました。警察では、名誉警察官のための葬儀を執り行いました。ほんの短い間でしたがクリスの夢はかなったのです。クリスの夢の実現に関わった人々は、他にも、大きな夢を持ちながら、難病のため夢をかなえることができない子どもたちがいるに違いないと考えました。こうして設立されたのが、メイク・ア・ウィッシュ基金だといいます。


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 そうしたボランティア団体で、850人以上の重い病気と闘う子供たちの夢の実現を応援してきた、「メイク・ア・ウィッシュ・オブ・ジャパン 」の「大野寿子」さんが語る、子供たちの小さな奇跡の物語なのです。


 どのエピソードも、びっくり(!)します。そして、どうして・・・なぜ・・・(?)と感じることでしょう。難病に襲われてしまった、何の罪もない子供たち・・・その子供ひとりひとりの「夢」を実現するために、奔走する「大野さん」たちボランティアの方々。そして、一緒に子供と戦っている親御さんの愛情と勇気・・・「夢」の実現に協力するスターや多くの企業など、さまざまな人たち・・・。


 心が通じ合ったとき・・・「夢」が実現したとき・・・本当にさわやかな感動が包みます。自然と、涙があふれてきます。



 「夢の実現はゴールではなく、新しい夢へのスタートライン」


 子供にとっても、親にとっても・・・もちろん、それに関わった多くの人々にとっても、自信を取り戻し、すこし誇らしげになって、生き生きとしてくる・・・そう「大野さん」は言っています。



 そして、「大野さん」は、こんなアドバイスをしてくれています。


 もしも、これから先、「ちょっとボランティアやってみようかな」と思ったり、あるいはいまやっていて息が詰まったり、へこんだりしているときに、ぜひ思い出してほしい『3つのススメ』があります。


 まず、1つ目は『三日坊主のススメ』。ずばり、ボランティアは三日坊主でもいい、と言う意味です。


(中略)初めてはみたけれど仕事や勉強や家のことで忙しくなってやれなくなる。ほかにもっとやりたいことを見つけた。これも、まったく恥ではありません。でも、せっかく熱い想いがあふれたのに、それを時間の経過とともに風化させ、忘れてしまうのは、もったいない。チャンスを逃すことはないと思うのです。



 2つ目は、『自己満足のススメ』


よく、ボランティアは自己犠牲と言われます。他人のためにがんばった。他人のために一生懸命してあげている。しかし、ありがとうと言ってくれない。私はこんなにこんなに一生懸命なのに・・・。そう考え始めると、だんだんと青筋が立って、怒りモードになっていきます。(中略)『ボランティア=自己犠牲』ととらえていると、なかなかうまくいかないのではないか、というのが私見です。


ボランティアをやっている本人が生き生きとやりがいを感じていれば、「どんなことやってるの?面白そうだから私もやってみようかな」と、人が集まってくる。そう、だから『ボランティア=自己満足』でいいのではないでしょうか。(中略)一生懸命やってきたのに、夢をかなえる途中で子どもが亡くなることもあります。人から理解してもらえないことや、落ち込むこともあります。でも、この活動が世界で25年間も続いてきたのは、それにもまして大きな喜びがあるからです。(中略)喜びの感情を持つことはさげすむことではありません。大変なこともあるけど、うれしいことや楽しいこともしっかりとカウントしながら、ボランティアをやってみてほしいのです。



 そして最後は『売名行為のススメ』です。


 ボランティアというと、つきものなのが「偽善者」という一言。「良い子ぶって、自分が目立ちたいだけじゃないの?」などと、足を引っ張る人が本当にたくさんいます。でも、そんな言葉には負けないでほしい。なぜなら、いいことは伝えないと広がらないからです。(中略)私は54年間生きてきて、わかったことがあります。


 「出る杭は打たれる」というけれど、「出過ぎた杭は打ちづらい」。


 杭が少しだけ出ていると、それは目障りでガンガンと叩かれてしまうけれど、ガーンと突き出た杭は、もはや誰も滅多なことでは叩きません。やりたいと思うことがあったら、まずはのぞいてみる。それから楽しいことをカウントし、その楽しさの理由を自分を使ってまわりの人に伝えていってほしい。


 それが、私なりのボランティアのススメです。




 「もったいない 」の「マータイ」さんも、「自分にできる、ほんの少しのことからでもいいから、まずは始めてみるのが大切なのです。」と、いわれていました。


やってみるからすべては始まる 」というのも、ある意味同じことですよね。



 「大野さん」の「3つのススメ」は、肩の力を抜いて、気楽に、素直に、いろいろなことに取り組んでいくことへの、「秘訣」のような気がします。


 「生協の白石さん 」のパクリのようなタイトル(?)はいかがなものかと思いますが・・・本当にお薦めの一冊です!



PS.

 夢を実現した子どもたちもすばらしいのだが、それをサポートした人たちのすばらしさにも感動する。まだまだ、捨てたもんじゃないんだ・・・そう痛感する。