おはようございます。今日から3月。厳しい寒さに襲われた日本列島ですが、長期予報では「平年並みか高い」と今年の夏を予想しています。「暖冬」予測が一転、歴史的な寒波に見舞われたのですから、「半信半疑」で対処していくのが賢明かもしれませんね。


 一方、民主党は「絶体絶命」です。


民主党は28日、ライブドア前社長の堀江貴文容疑者が武部勤・自民党幹事長の二男への送金を指示したものと指摘したメールについて「本物ではない」と断定し、遺憾の意を示す党声明を発表、前原誠司代表が記者会見で国民や武部氏と二男に謝罪を表明した。メール問題を国会で取り上げた永田寿康衆院議員を6カ月の党員資格停止処分とし、永田氏の説明をうのみにした責任を取るとして野田佳彦国対委員長が辞任した。ライブドア事件追及で与党に攻勢をかけていたはずの民主党はメール問題へのずさんな対応で国民の信頼を損ない、前原氏の党内基盤も大きな打撃を受けた。


 「勇み足」ならば、「足元を固めて出直す」しかありません。また、こちらは「信頼回復」なるのでしょうか?


日本航空は28日、新町敏行社長兼最高経営責任者(63)が6月の株主総会後に会長に退き、後任の社長に西松遥取締役(58)が昇格する人事を固めた。新町社長は会長就任時に代表権も返上する意向だ。代表権を持つ羽根田勝夫副社長(63)と西塚英和専務(60)も退任する方向で、内紛騒動の収拾を図るためには、代表権を持つ現経営陣の総退陣がやむを得ないと判断した。

 また、新町社長らの退陣を求めた日航の国際線子会社の取締役4人のうち、大村裕康(54)、高橋哲夫(55)の両取締役も退任する見通しだ。1日午後に開く臨時取締役会で正式決定する。

 新町社長はこれまで、経営再建を軌道に乗せるために2007年3月末まで務める意向だったが、首脳陣の退陣を求める部課長級の署名も400人近くが集まるなど、退陣を求める社内の勢いが強まっていた。このため、経営陣の若返りで、事態の沈静化を図る。


 いずれにしても「安全」を何者よりも「優先」してほしいものです。



No.265:超バカの壁


 新書+ベストセラーが続きますが、今日は「超バカの壁」を取り上げます。


「今の日本社会には、明らかに問題がある。どんな問題があるか。私はものの考え方、見方だと思っている。そこがなんだか、変なのである」――フリーター、ニート、「自分探し」、テロとの戦い、少子化、靖国参拝、心の傷、男と女、生きがいの喪失等々、現代人の抱える様々な問題の根本が見えてくる。「バカの壁」を超える方法、考え方は自分の頭で生み出す。そのためのヒントが詰まった養老孟司の新潮新書第三弾。


養老 孟司
超バカの壁


 前作「バカの壁」や「死の壁」に対して寄せられた質問を編集部の人がまとめて、それに答える形でつくったと、前書きにあります。上記の「梗概(あらまし)」にもあるように、さまざまな問題に対して、「自分の考え」を述べておられます。「なるほど!」と、納得したり、「そんな考え方もあるのか・・・」と、考えさせられたり、「それは違うと思うなあ・・・」と、突っ込んだりしながら、すらすら読めてしまいます。


 昨日の「人は見た目が9割 」もそうなのですが、「講演」や「インタビュー」をもとに、構成されているからでしょうか、本当に読みやすいのが特徴です。このわかりやすい「タイトル」の命名者は、同じ編集の人だといいますから、コピーライターとしてのセンスもあるのでしょう。好き嫌いは別にしても「インパクト」があり、「印象」に残る「タイトル」です。


 「テロの問題」では、(テロと)戦うべきではなく、原因を考えるべきだといいます。「大切なのは予防だ」と。個人レベルでなにかできることがあるかと聞かれれば、何もする必要はなく、自分がテロをやらなければそれでいいとも。どこか「肩の荷が降りた」気がします。


「人間関係の問題」では、「イライラする人が増えている」のは、自分の問題に戻さないで、完全に人のせいにしているのが原因だと論じ、都会でその傾向が強まるといっています。


田舎ならば道を歩いていて石につまずいて転んだ場合、注意が足りないと怒られるのが関の山でした。これが銀座だったらこんなところに石を置きやがって、訴えてやるとなる。その違いです。


・・・と。また、世の中には、困った人というのは一定数いるとして、こういう人との接し方を「着かず離れずがいい」と言い切っています。いわゆる「達観」の境地とでも言うのでしょうか。


最終章の「本気の問題」にある、「分をわきまえる」と「面倒から逃げない」という話には、なぜか、深く感銘を受けてしまいました。



 いずれにせよ、「ヒント」だと割り切り、「自分の考え」を見つめなおすきっかけになるという意味では、お薦めの書です。



PS.

 老人の良い身の引き方、楽しい老後の過ごし方についてもっと考えたほうがいい、として、「老人は生き生きしているよりは、イライラせずにニコニコしているほうがいい」と言っている。そして、ご自身は、残りの人生は、虫だけ(昆虫採集・標本作成がライフワーク)で十分だと。・・・身近にこんな「おじいちゃん」がいてくれたらなあ・・・。

養老 孟司, 宮崎 駿
虫眼とアニ眼