一般的に言って、ホステルははっきりいって、白人社会である。
アジア人の旅行者なんて少数派。
みんな英語圏、あるいはヨーロッパからやってきていて、見た目が同じような白人達が集っている。
やっぱり言葉の問題とか文化の壁とかあって、入れないことも多数。
そんなとき、モハメッドを見つけた。
テラスで一人たたずむイケメン。しかも誰とも群れていない。
国籍はよくわからなかった。
で、話しかけたところ、彼はマラケシュ在住で何かの試験のために、タンジールにやってきているそうな。
そして国籍はモロッコ。
「モロッコの人ってイケメンが多いなぁ。」というのが正直な感想です。
私の中のイケメンランキングの上位に入る。
タンジールはスペインとの混血が多いから肌の色が白く、眼の色も明るい人も多い。
モハメッド君とは非白人同士、仲良くなった。
彼は末っ子で大学院に行っているという。きっといいところの息子なのだろう。
学業が優秀だと学費がかなり免除されるとも教えてくれた。
そして何より特質すべきは、彼は敬虔なイスラム教徒だということ。
私は長い人生の中で「敬虔な」イスラム教徒と出会ったのは初めてだった。
喫煙、アルコール、婚前交渉などはもちろんNG
一日5回のお祈りは欠かさない。
ホステルでもバスタオルを借りてお祈りをはじめた。
「イスラム教徒のお祈り見たことある?」と聞かれ、首を横にふる私に、「良かったら見ててもいいよ。」と。
彼がお祈りを始めた瞬間、空気が変わった。
ぴーん。と何かが張ってる感じ。
その彼と何のいきさつだったか忘れたが「ゲイについて」議論しはじめてしまった。
私はゲイとして生きるのは当然の権利だし、認めるも認めないもなく、当然と思っている。
しかし、イスラム教では当然NG。
敬虔なモハメッド君は当然NG。それも論理とかでなく、最初からNGなのだ。
後付けで理由を述べている。
話が長丁場になったとき、私は「しまった」と思った。
これは着地点がない。
人間は教育や環境や宗教でその人が「一番生きやすいような考えを持つように洗脳されている」と私は思う。
私の考えも私が自分で考えているのではない。
そう思うように仕向けられているんだ。
誰に?
自分や社会や環境や宗教に。
それはそれでいい。
でも、違う思想を持った人との会話というのはどうやって行えばいいのか?
私が「自分が正しい」と思うように、それぞれみんな「自分が正しい」そして「相手の誤りを正してあげなきゃ」と思う。
そしてケンカになったりする。国家であれば戦争になったりする。
自分と違う考えを持つように洗脳されている人とどう会話をしていくか?
それは大きな課題である、わたしにとっても。日本にとっても、世界にとっても。