シウダーボリバルでは事前にホテルを予約していませんでした。その為、バス停に降りてから、ホテルを探しました。バス停ではお決まりで、ホテルの勧誘をしてくる人々がいましたが、なんとなくぼったくられる気がしたので断り、周囲をうろちょろしていました。
しかし宿らしきものはなく、途方に暮れていると、だんだんと辺りが暗くなってきました。すがる思いで、大通りを歩いて行くと、インターナショナルホテルという名のホテルが現れ、各国の国旗もかざしていたので、やっと見つけたという思いでホテルに入った。
ホテルの受付には、ベネズエラに来て初めて見たアジア系のおばさん(中国人?)がいて、英語がしゃべれ、無事今晩の宿をとる事が出来ました。この後知ることになりますが、シウダーボリバルには、中華料理店があったりして、中国人がいました。それが後の一件を引き起こします。
●「チーノ」事件
翌日少しシウダーボリバルの街をうろつくと、何やらすれ違う少年達(シウダーボリバルはメスティーソの人々が多く、白人系というよりは黒人系が多い)に「チーノ」とやたらと声をかけられた。「チーノ」の意味が全くわからなかったので、必死にスペイン語の本を見ていると、どうやら「中国人男性」という意味らしい(スペイン語には男性名詞と女性名詞があり、中国人女性の場合「チーナ」)。今まで1度だけ、ペルーの空港で入国審査官に「チーノ?」と聞かれただけだったのに(その時は意味不明でながした)、ここにきて少年達の「チーノ」攻撃。ベネズエラではアジア系がおそらくほとんど中国人しかいない為だと思われるが、ひどくショックを受けた。意味を知ってからは、「Yo soy japones(ヨ ソーイ ハポネス)」と言い返すようにした。しかしそれを言っても「チーノ」と呼んでくる。おそらく、ベネズエラの人々は「チーノ」の発音の響きが好きなんだと感じた。他にもやたらと、チョコレートが好きかと聞かれて、好きと答えると、「ショコラート(チョコレート)」と呼んでくる人がいたが、それもその発音の響きが好きなんだろうと思えた。何にしても、差別意識は多少あるんだろうし、「チーノ」と呼ばれたら、必ず「ハポネス」と言い返したい。
●スーパーでスペイン語レッスン
ホテルの前には小さなスーパーがあり(いろいろな種類のペットボトル飲料や、コーヒー、サンドウィッチ、ハム等を売っている)、そこで水を購入する為に行った。ペットボトルはカウンターの向こう側にあるので、店員にとってもらわなければならず、「アクア(水)」と若い女性の店員に言った。しかし全く通じず、結局指を指してとってもらった。店員は「アーゴア(水)」ねと話してきた。私が同じように発音すると「ノーノー、アーゴア」よと店員は注意してくれる。そのやり取りを2~3回繰り返し、しまいには店員に「もういいわ」という表情をされ、店員によるスペイン語レッスン終了した。初対面の人にこの対応、ほんとにいいところだなとベネズエラが大好きになった。…翌朝、同じ店員がいたので「アーゴア」と注文すると、にやけながら「はい」と渡してくれた。いつかシウダーボリバルに行く事があったら、またあのスーパーに行ってみたいものだ。
(写真:ホテル前。右の建物がスーパー)
シウダーボリバルの人々は、皆非常に温かった。ベネズエラのように開発途上で、治安が悪い国の方が、かえって人々は人間味が溢れているように感じたのは不思議だった。テレビや娯楽施設等が少なく、交通手段が少なく非常に不便。しかし、それを補うかのように、人々は周囲の人々と関わることで欲求を満たしている。文明が発達し過ぎると、かえって人間は不幸になるのでないかと考えされられる機会となった。
(写真:シウダーボリバルの街角)